何と活力にあふれていることか。
その気になれば何でもできてしまうバイタリティ、
当時はそれが永遠に続くとばかり思っていた。
このような惨状など微塵も想像しない。
そのエネルギーを今の課題に費やしたら、
どれほどの成果を上げたことだろう。
体力の低下を痛感する日々、
「時よ止まれ、お前は美しい」
ファウスト博士の気持ちが少しわかるようになったか。
嘆いても時は取り戻せない。
ハタチそこそこではわからなかったもの、
まやかしではなく、
生涯を通して積み重ねてきたもの、
それが何よりも大事、
たとえ人生をやり直したところで、
悩み苦しみながら勝ち取った、
「経験」という名の宝物に代わるものは手に入らない。