自宅近くにあった最後の書店が閉店しました。
会社近くの大型書店も閉店、
通勤ルートを思い返してみても、
少し足を伸ばしたり途中下車しないと、
書店にたどりつかないようになっています。
町の本屋さんの減少は、
そこで働く多くの人にとっての死活問題、
出版業界は版元、取次、書店の三者で成り立っていたものの、
取次と書店は斜陽傾向、
版元はコンテンツビジネスに大きく舵を切っています。
一番の原因はネット書店、
出始めの頃は業界と共存していましたが、
自前の倉庫を持つようになり、
出版業界の足を担う取次を切って、
書店からパイを奪う。
送料なしに自宅まで本を届けてくれるという利便性を武器に、
大きく事業を拡大しました。
そうなると町の書店は太刀打ちできず、
個性がないその多くが自然淘汰されることは必定、
時代の流れといえばそれまでですが、
これを鑑みての私の感想は、
「少しさみしい」の域を脱しません。
しかし働くひとにとってはそれでは済まないもの、
業界に携わる知り合いが多くいるだけに、
少しいたたまれない気持ちになります。
急速に利便性が向上することで淘汰される産業、
でも顔が見えるって、
生の「ありがとう」の一言って、
落ち込んだ心に深く突き刺さるはず、
我々がドキドキしながら、
好きなあの子の家電にかける経験をできないように、、
レジの無人化や便利な配送サービスによって、
10年後のヤングたちは、
あの店員さんが可愛いからあのお店に行って、
ドキドキしながら会計を済ますなんて、
そんな経験ができなくなるのかもしれない。
デバイスを通してのほうが、
多くの人と関わり合える時代、
もちろんそれも素晴らしいこと、
でも、手軽で安心、
嫌ならばすぐに切ることができる関係、
そこに覚悟は生まれない。
嫌な人とも向き合うことで広がる価値観、
そこに生まれる気づきも大切なもの、
どんなにIT化が進んでも、
人とのふれあいに喜びを感じ続けたい、
そして真摯に人と向き合うことを忘れたくないと思うこの頃、
忘れてしまいがちだけれども、
画面の向こうにも人がいるのだから、