誰もやり方を教えてくれないから、
仕事ができないのは周りのせい、
向こうから先に距離をおいてきたのだから、
関係がうまくいかないのは向こうのせい、
私にかまってくれないから、
万引きするのはお母さんのせい、
お金がないのは、
賃金上昇、景気回復を謳って、
物価や税金ばかり上昇させる日本政府のせい、
いつだって誰かのせいにしていれば楽、
自分が変わらなくても幸せを錯覚できるのだから、
でも、どこかで気がついているはず、
そんなことをしたって一時しのぎに過ぎないこと、
気が付かないふりはそう長くは続かない。
先延ばしにすればするほど、
来た道を引き返すだけで一苦労、
一発逆転を夢見て、
人を道具としか見ない商売に手を染めたところで、
自分も道具に成り下がるだけ、
使い捨てにされて、
誰かのせいにできる理由を増やすだけ、
「自分は悪くない」
誰かのせいにできて良かったね。
別の悪くはない。
けれど良くもない。
行き詰まることはわかっていたのに、
そこから抜け出す努力をしなかったのだから、
たいていそう。
行き詰まる前に行き詰まることはわかっている。
そうなると心の置きどころはどんどん狭まって、
妥協してもしても追いつかなくなって、
最後の最後にプライドを担保に、
誰かのせいにしていたその誰かに泣きつく。
それでも誰かのせいにすることを辞められないと、
もはやなんのために生きているのかわからない。
心にもない「悪いと思っている」を武器にして、
人を傷つけることに鈍感になって、
使えるものは何でも使って、
ただただ生きるために生きる。
始まりはほんの些細なこと、
でも気がつくと深みにハマって抜け出せなくなる。
「自分の人生は自己責任」
周りに甘えることしか考えていなければ、
差し伸べられていた救いの手は、
みるみる数を減らして、
やがてゼロになる。
どこかで気がついてよ。
人間ではなくなってしまう前に、