そう感じることが増えた。
前はもっと反論することを厭わなかったし、
掲げた理想を大事にしていた。
もはや反論する気力すらない。
言われた通りにする方が何倍も楽に感じてしまう。
まるで去勢されてしまったみたい。
「社会」という主人に飼いならされて、
報酬や立場という餌ばかりを与えられて、
まともな食事をしなくなってしまうと、
男でも生理不順に陥ってしまうのだろう。
「男らしさ」について論じるつもりはない。
だけれどもそういうものは確かにあって、
大事にしなければならないものの一つなのかもしれない。
夢だの理想だのに振り回されているうちが華、
いつまでも子供みたいに、
それを追い続けられたならば、
きっとこんなことでは悩まないのだろう。
なんだか大人になりすぎて、
それを通り越して年老いてしまったみたいで、
新しいものを手にするための気力を出すだけでも一苦労、
「やわになったな」
つくづくそう思う。
昨日だって、友人のきつい一言に、
尻尾を巻いて逃げ帰ってきた。
反論する気力も湧いて来なかったから、
早く帰って、
風呂につかりながら読書して、
自分を見つめ直して、
ストレッチして寝る。
生活を崩したくないのだ。
これでは結婚できないわけだ。
「今はきっとそういう時期」
社会から与えられる餌がモチベーションになるかもしれないし、
新たな出会いがそうかもしれない。
こればっかりは待つしかない。
そして今度こそはチャンスを逃さないように、
上手に踊るしかない。
今はただ、やるべきことをやり続ければいい。
ステップを間違えないように、
自分の流儀に従って、
踊ることを辞めなければ、
それだけでいいのだ。
震災から8年、
風化するのに十分なほど長い長い歳月、
だけれども人によって時の流れ方は違う。
まだまだやわなままでもいい。
少し長くても「そういう時期」なのだから、