「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

やわになったな

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そう感じることが増えた。

前はもっと反論することを厭わなかったし、

掲げた理想を大事にしていた。


もはや反論する気力すらない。

言われた通りにする方が何倍も楽に感じてしまう。


まるで去勢されてしまったみたい。


「社会」という主人に飼いならされて、

報酬や立場という餌ばかりを与えられて、

まともな食事をしなくなってしまうと、

男でも生理不順に陥ってしまうのだろう。


「男らしさ」について論じるつもりはない。

 

だけれどもそういうものは確かにあって、

大事にしなければならないものの一つなのかもしれない。


夢だの理想だのに振り回されているうちが華、

 

いつまでも子供みたいに、

それを追い続けられたならば、

きっとこんなことでは悩まないのだろう。

 

なんだか大人になりすぎて、

それを通り越して年老いてしまったみたいで、

新しいものを手にするための気力を出すだけでも一苦労、


「やわになったな」


つくづくそう思う。


昨日だって、友人のきつい一言に、

尻尾を巻いて逃げ帰ってきた。

反論する気力も湧いて来なかったから、


早く帰って、

風呂につかりながら読書して、

自分を見つめ直して、

ストレッチして寝る。


生活を崩したくないのだ。

これでは結婚できないわけだ。


「今はきっとそういう時期」


社会から与えられる餌がモチベーションになるかもしれないし、

新たな出会いがそうかもしれない。


こればっかりは待つしかない。

そして今度こそはチャンスを逃さないように、

上手に踊るしかない。


今はただ、やるべきことをやり続ければいい。

ステップを間違えないように、

自分の流儀に従って、


踊ることを辞めなければ、

それだけでいいのだ。

 

 

震災から8年、

風化するのに十分なほど長い長い歳月、

だけれども人によって時の流れ方は違う。

 

まだまだやわなままでもいい。

少し長くても「そういう時期」なのだから、