前から可愛いとは思っていたけれど、
少し神経質で付き合いにくいだろうなぁと思っていた人、
ふとした時に目があって、
なんだか心の隙間にスッと入り込まれたように、
ドキッとしてしまった。
「いや、まさかな」
縁談が控えているのに、、、
だからどうだと言うことはないけれども、
少し靡きやすくなっているのかもしれない。
前もそうだった。
気になっていた人を勇気を出してご飯に誘って承諾をもらって、
その次の日に縁談の話、
その2日後に緊急入院、
結局どちらも流れてしまった。
縁談になった手前、
形だけは繕って体よくお断りをされる。
次の約束までしていたのに、
「病気のことがどうしても気になって、ごめんなさい。」
リアリストな年頃女子が、
傷物真っ最中の男に靡くわけはなかったのだろう。
そんな傷と向き合いながら、
何かに怯える毎日を過ごす中での縁談、
縁談一つ予定があるだけで心にゆとりをもてる。
なんとも簡単な男だ。
「これでレールに乗っかってしまうかもしれない」
実感はそこまでないけれども、
無意識にそんな焦燥感が生まれるのだろう。
昔からそうなのだ。
あと一歩のところでうまくいかなくなる。
いろんな選択肢が出てきて、
それを選んでいるうちに手遅れになる。
レールに乗ることを恐れている。
「交際すること」を世間一般と比べて過剰に重く捉えている。
グレーゾーンでいたいのだろう。
もはや結婚したいのかどうかもわからないな。
だけれどもこのままでいいわけがない。
覚悟を決めなくてはならない。
自分の傾向を断ち切らないと、
時間はあまりない。
迷っているうちにタイムアップ、
そうやっていつも気がついたら手遅れ、
そんな惨めな思いはもうしたくない。
勝負の日は刻一刻と迫ってきている。
さぁ、おもしろくなってきた。