「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

パニック障害

f:id:tureture30:20190524070952j:image

 

※有病者は閲覧注意


私が今の私になったことを語る上では、

どうしても外せない話、


私は軽度のパニック障害を患いました。

発病して今日が丸3年、

少し前から準備していて、

今日投稿しようと考えていました。

 

 

突然のことだった。

出勤の準備をしていると、

満員電車が怖くて怖くてたまらなくなった。


過呼吸になり、

とりあえず会社に午前休暇の連絡をして、

ベッドに横になる。


明らかにヤバイことはわかった。

これはメンタルの方だ。

そう直感的に感じた。

なんでこんなことになるのか。

「ふざけるな」と思ったことを覚えている。


最初の感情は、

恐怖でも不安でもなく「憤り」だった。


「こんなところで終わってたまるか」

こんな状況でも最初はそれ、


それだけでもどれほど自分を痛めつけ続けていたかがわかる。


当時は仕事でもプライベートでも、

大きな転機があり過剰に負荷がかかっていた。

そして、大した力もないくせに、

その全てに真正面からぶつかっていた。


その日だって、

気持ちを落ち着かせて、

無理をして午後は仕事に出た。


一日中そわそわしていたが、

会社に着くと普通に仕事をこなした。


「大丈夫だ。少し疲れていただけ」

そのように自分に言い聞かせて一日を終える。


ところがその次の日の夜、

急に発作のようなものに襲われる。


後頭部が熱くて感覚が鋭敏になりとても眠れない。

窓の外の薄明かりすら眩しい。


夜中なのに交感神経がマックスな状態、

そこからしばらくは1日中そんな状態が続く。


周りから見ればなんともないように見えたらしいけれど、

過剰に敏感な感覚とまともに眠れない日々、


あまりにも寝られなくて、

じっとしていられないから、

早朝からランニングしたり、

怖くてニュースすら見られない。


ちょうどあの頃に、

施設の障害者が何人も殺められた事件があった。


「社会的に価値がないから」

犯行動機、


「こんな状態が続くならば自分も障害者かな」

もちろん障害があるから価値がないということではないけれど、

当時はなんだか自分に価値がないようで怖かった。


だけれども、そんな状態でも、

毎日、這うような思いで会社にたどり着く。

そうしないと、

全てが終わってしまうような気がしたから、


大きな発作があった。


夜中に急に目が覚めると自分が誰だかわからない。

徐々に感覚を取り戻してこっちに戻ってきたけれど、

死に近いような感覚だったのかもしれない。

なんだか泣けてきて「人生終わったな」と思った。


少しばかり寝ることができて、

朝起きると「今日も一日が始まってしまった」と思う。

一日を積み重ねることに必死だった。

夜になるのが怖かった。

毎日職場で「休職」について調べていた。


理不尽に生活を奪われる。

できていたことができなくなる。

人より努力をしてきたし能力もあった。

(そう過信していた)

なんでこんな事になったのか。

そういう気持ちを捨てられなかった。


そこから生活を整えて、

同じ病気だった人に話を聞いたり、

睡眠の本を読んで実践したり、

できることは何でもしようととにかく動いた。

体力が持たなくて外で倒れ込んだりもした。


気持ちに左右されずに、

やるべきことはやり続けて、

1日も休まずに仕事を続けて、

運動をはじめて、

鍼灸にかかって、

親にも周りにも頼れるだけ頼って、

できないことはできない、

やりたくないことはやりたくないって言うようになって、

4ヶ月位は本当に辛かったけれど、

投薬治療を受けることなく乗り越えた。


かかった医者が、

「あなたの症状なら薬は飲んでも飲まなくても良い」

と言ってくれたことが大きかった。

それならば飲まないで治そうと思えた。


とにかく無難に行動範囲を狭めて生きていた。

そこから1年ほどして旅行に挑戦した。

そのときに車を運転して「生活を取り戻した」と感じた。


症状は軽かったのかもしれない。

はたまた軽くできたのかもしれない。

それはわからないけれど、

自分の病気は誰のものとも違う「自分病」で、

自分が向き合って治すしかないと実感した。


3年経つけれど、

いまでも少し調子を崩す時期はある。


今回の失恋では、

少し発作のようなものもあった。


元には戻れないけれど、

病気になる前よりも良くなることはできる。


もともと上ばかりを見ていた。

できないってことは努力が足りないと思っていた。

だけれどもそれでは心と体が持たなかった。

「やり方が違った」のだ。


前よりも、

・表情や仕草から感情を読み取れるようになった。

・人の心に寄り添えるようになった。

・自分の感情に正直に生きられるようになった。

・自分の評価や立場よりも物事の本質を捉えることに努めるようになった。

・いつも冷静で落ち着いていると言われるようになった。

・一日を大事にして生きるようになった。


人の気持ちがわかりすぎて辛いこともあるけれど、

それって長所なんだと思えている。


「元に戻りたい」じゃ治らない。

一生付き合う覚悟が必要、

病気も含めて自分、


恋愛はうまくいかないし、

傷つくことばかりだし、

メンタルじゃない大病にもかかったし、

いつ再発するかもわからないけれど、

なかったことになどしたくないし、

それを糧にして生きている。


こういうのって、

人それぞれだからいい加減なことは言えないけれど、

私の場合はそうして乗り越えた。


確かに乗り越えたと胸を張って言える。

この経験が誰かの希望になればいい。


苦しいことに変わりはないけれど、

人生が変わった3年、


3年経って本当にそう思う。