雨よ、
このまま降り続いてくれ、
心の汚れを洗い流すまで、
どうかしている。
傷つきたくないくせに人を傷つけて、
心を寄せてくれる人を、
ないがしろにしているくせに、
ないがしろにされては傷ついて、
精一杯の誠実さ、
それを見せたつもりだけれども、
それは単に思わせぶりな態度なのかもしれない。
断る勇気がないものだから、
愛想を振りまいて、
鮮やかな紫色を見せつけて、
その鮮やかさは、
怪しさをはらんでいる。
チョコミントの好きな彼女に、
心を寄せてはみたけれど、
「あなたよりもいい人を見つけたの、
ごめんなさい」
その鮮やかさに目を奪われたけれども、
所詮はマボロシ、
手は届かない。
人は醜くて愚かな生き物、
鮮やかにきらびやかに装って、
人目を引くことに躍起になるけれど、
心のうちは鮮やかとは程遠い。
雨に打たれても、
人目を引きつけて、
美しく咲くことに躍起になる。
いつだってずぶ濡れで、
根っこは泥にまみれているのに、
「私のことを見て」
まるであじさいの花のよう、
いいや違うな。
こんな私と同じにしては、
あじさいに失礼だ。
ずぶ濡れになりながらも、
泥にまみれながらも、
自分らしく咲く。
自分の生を全うしようとする。
そんな、
あじさいのようになりたい。