「おっしゃる通りです」
デキる営業ほど多用する言葉、
確かに言われると気持ちがいいもの、
自分が場にふさわしい話題を提供した気になれる。
営業ではないが、
私もたまに使っている。
打ち合わせの場は、
よほどの手練を除いて、
皆が不安を抱えて臨むもの、
だから、
誰もが「共感」を欲しているのだ。
そんなときに有効なテクニック、
自分が相手の「共感者」になってあげること、
だけれどもあくまでもテクニック、
「本当にそう思っているの?」
まあ、全く見当外れなことには使わない。
だけれども、
その半分は下心、
自分が場で有利な立場になるため、
自分の意見に賛同してもらいやすくするために、
それを用いる。
そうやって、
小さなところでも人を食い物にしているのだ。
愚かで浅ましい。
婚活では女性をたらしこんで、
仕事でも人の不安につけ込んで、
なんともまあ、
「誠実」とは程遠い。
そろそろ掲げた「誠実」という看板を、
下ろさなければいけないかもしれない。
確かに私は「誠実」に見えるのだろうけれども、
実際はただの「人でなし」だ。
素直に真っ直ぐに、
ただただ愛を注ぐことができる。
そして、私の空っぽの器を愛で満たしてくれる。
そんな人と時を重ねたい。
でないと、
どんどん自分が嫌いになってしまうから、
「そのままでいいよ」って、
いつだってそう言ってもらえないと、
自分の価値を信じられない。
テクニックばかりを駆使して、
人を道具のように動かして、
ほとほと愛想が尽きる。
たまらなく不安なのだ。
私って、
誰かの役に立っているのかな。
そして、
誰かを幸せにできるのかな。