心の負担を減らしてあげるために、
心が心に対して忖度する。
「あなたは悪くないよ」って、
「そんなひどいことをする相手が悪いんだよ」って、
甘い言葉を投げかけて、
自分で自分を慰めてやる。
「正当化」
それをするたびに、
それをすることばかりが上手になって、
自分の傷と向き合う強さを手放してしまう。
自分を慰めてやる時間は必要だ。
だけれどもそればっかりでは何も変わらないのだ。
自分の弱さを認めてあげないといけない。
ちょっとしたことで浮足立ってしまったな。
媚びを売るように何でもしてあげちゃったな。
相手に寄りかかる覚悟をもてなかったな。
それって、
「相手に嫌われること」を恐れた私の弱さ、
気配りやエスコートとはまた別の次元のもの、
私が弱かったのだ。
男は馬鹿だから、
容姿に惹かれて浮足立ってしまう。
自分と相手との立ち位置を、
ちゃんと同じところにしてあげないと、
私のほうが背が高いからって、
へりくだって目線だけ合わせても仕方がない。
「見え方は同じでも、立っている場所が違う」
それではきっと窮屈でしょ。
「見え方が違っても、同じ場所に立っている」
だから助け合うことができる。
男の視点と女の視点、
それぞれ違うから助け合える。
彼女と手をつないだときに、
私がエスカレーターを一歩踏み出すと、
それに合わせて彼女も一歩踏み出してくれた。
合わせてくれたのだ。
だけれども私は合わせることができなかった。
嫌われることを恐れて、
同じ場所に立つことができなかった。
そんな弱さに気がつけたから、
今回の経験は無駄ではなかった。
気がつけばまた正当化しているな。
それでもいいのだ。
次に繋がるならば、
次に繋げるならば、
それが一番いい。
生きるって苦しい。
彼女の一挙手一投足に想いを馳せては、
ため息が止まらない。
想いを引きずりながらも、
明日も来週も別の女性に会いに行く。
気持ちなんて、
そこには全くないのに、
何をしているのだろうな。
わたしはいったい、
何がしたいのだろうな。