「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

リビングデッド

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つないだ手の感触が残り続けている。


一度はつながった気持ち、

そんなに簡単に離れてしまうものなのかな。


形のないものだから、

確かめる術はないけれど、

確かにその気持ちは存在したのだろう。


この痛みが、

きっとその証拠、


猫のように気まぐれで、

梅雨とともに去っていった。

 

そんな彼女は、
幻だったんじゃないかな。

ふと、そう思う。


いつも笑顔だけれども、

時折見せる疲れた表情、


話しかけると一瞬でそれは消えた。


何を思っていたのだろう。

私と過ごしてくれた時間に、


何を考えていたのだろう。

楽しそうに振る舞うその内側で、


こうなってしまったのは、

何かの手違いだったんじゃないかな。


もう一度、何かの手違いで、

戻ってきてくれないかな。


そんな事ばかり考えては、

最後の日から積み重ねた日にちを、

丁寧に数え続けている。


振り返っては、

その日の気持ちと今を比較して、

どれだけ前に進めているのだろうって、

そんなことばかりに囚われて、


「なんで?」から、

「ありがとう」には移れたけれど、

「さようなら」までの距離はまだ遠いみたい。


「8月」


偽りの約束に思いを馳せて、

このまま過ごすことになるのかな。


周りは目まぐるしく動いている。


私自身がそれを動かしているのだけれども、

私の心は止まったまま、


無心で踊っているだけ、

心と体の距離は離れていく一方だ。


どこかで話し合いが必要だ。


心と体の間で、

話し合う必要があるのだ。


だけれども今は踊るだけ、

とにかく先に進むために、

心を置き去りにして、

 

毎日、心のこもらないメッセージのやり取りをして、

会う約束を重ねて、

もはや予定は埋まりつつある。


不器用な私の持ち合わせている選択肢は、

「ただ進む」しかないのだ。

 

「この人じゃないな」

 

ほとんどはそういう出会い。

仲睦まじくメッセージを重ねていても、

終わりはひどくサッパリとしたもの、

 

繋がっているのは一本の糸だけだから、

少し強く引けばプツリと切れてしまう。

糸から手を離しただけで、

それまで重ねた時間は闇の中に消えてしまう。

 

簡単に終わってしまうのだ。


痛みの伴わない恋なんて、

みんな「偽物」


唯一の例外は、

それが「愛」に変わったときだけ、


痛い。

とっても痛い。

恋ってこんなに痛いのだな。


「生ける屍」


痛みを感じているのだから、

まだ死んではいないのだ。