10月にもなるのに暑い日が続いていた。
それもどうやら終わりを告げるみたい。
超大型の台風が接近している。
台風一過を最後に、
このまま夏を連れ去ってくれるのだろう。
今年の夏はとにかく苦しんだ。
夏らしいことはあまりしていない。
江ノ島に行く約束は永久に失われてしまった。
「いっぱいデートしようね」
その言葉を受け取ってから、
結局は一度もデートをしないで終わってしまった。
永遠に・・・
しばらくお休みをしていたものだから、
気温とともに冷めていく。
私の恋心・・・
だけれども冷めきってはくれないようだ。
心の柔らかい場所に包まれて、
どうやら居心地がいいみたい。
引きずり出すのは忍びないな。
先に進みたいとは思うけれど、
もう少しこのままでも良いか。
「終わらない夏」
あの子との出会いは、
この夏の象徴、
いつまで経っても、
夏の訪れとともに、
あの子のことを思い出すのかな。
私の気持ちを察するかのように、
夏も頑張ってくれていたようだ。
将来のことはわからない。
過去を変えることはできない。
だからせめて今はこの思いに浸って、
それを次への活力に変えよう。
もう少しで3ヶ月、
いい加減に前に進まないとな。
いくら望んだところで、
夏にはもう戻れないのだ。
台風、
前みたいに大きな被害が出ないことを願う。
この停滞感、
もやもや感、
不信感やら倦怠感、
そんなものだけを吹き飛ばして、
過ぎ去ってくれればいい。