周りからいろいろなものが消えていく。
手放す時期に来たのかな。
熱を上げていた婚活を切り上げて、
かかえていた資格の試験を全て終えて、
体調が落ち着いてきたものだから、
ゆっくりと次のことを考えようと思った矢先、
今度は愛犬を失って、
バレーボールは終わり、
ラグビーも日本は敗退して、
野球の日本シリーズもあっけなく終わった。
しばらく読んでいた本も読み終えて、
通っていたジムは月末で退会する。
手放すものばかりで、
手に入るものはあまりない。
おまけに寂しさを紛らすための術もない。
そういう時期、
立ち止まる時だよって、
教えてくれているのかな。
それとも、
新しいことを始める時だよって、
そういうことなのかな。
忙しくなろうと思えばなれる。
そんな球はあるのだけれど、
どうにもあまり気乗りしない。
それに乗っかると、
なんだか搾取されているような気がしてしまうから、
昔はそんなことを考えもしないで、
夢中になれたものなのに、
歳をとってしまったのだな。
もうしばらくは心を落ち着けて、
目の前の責任だけを果たしていればいいのかな。
だけれどもそれだけでも、
なんだか責任は重くなる一方だ。
体力はどんどん落ちているのに、
かかえているものはどんどん増えていく。
いつまで片手間に責任を果たしていけるのかな。
両手まで塞がってしまったらきっと、
逃げ出したくなるだろう。
これでは結婚なんてとてもできそうにない。
おひとりさまの覚悟を決め込むべきなのかな。
夢中になれる体力を失ってしまってから、
夢中になれる心まで蝕まれてしまった。
もう少し、
夢中に生きていたいな。
夢中に、
幸せを追い求めて、
自分よりも大きな世界に対して、
使命感を持って生きていけたらな。
そういう時期って、
どこで終わってしまうのだろう。
子供の頃は、
何に対しても夢中だったのに、
世界と自分が密結合していて、
「世界に何か影響を与えられる自分」
そういうものを信じていたものだから、
世界が輝いて見えた。
夢中に生きるって、
どうしたらいいんだったっけな。
思い出そうとするほどに、
それが遠くに行ってしまう気がする。
考えれば考えるほど、
何か理由を探してしまうのだ。
それでは夢中になんてなれっこないな。
大人になると頭で考えるようになる。
だから夢中になれないのか。