「最近、顔色が良くなりましたね」
ランチを共にしていた後輩くんにふと言われた一言、
「婚活をお休みしているからね」
私はそう答えた。
出し切ってしまったのか。
最近はあまり言葉が出てこない。
何かに取り憑かれたように文章で吐き出していた時期もあった。
言葉を紡ぐことに飽きてしまったのかな。
理想の相手と一緒になることを目指していたけれど、
どうやらそのことに私があまり執着しなくなったみたい。
それもある意味では成長なのかな。
欲求だとかそういうものを垂れ流しにして、
それが敵わないからっていちいちイライラして、
そんな状況よりかは幾分かマシ、
だけれども気力が湧いてこない。
やらなくてはならないことを、
やらなくてはならないからやり続ける。
生活のためにやり続ける。
なんだかそんな繰り返し、
それを続けられているだけでも上出来なのかな。
それ以上に手を伸ばして、
また体調を崩してしまったら本末転倒、
私の心は誰かと一緒に前に進むことを、
求めてはいないのかもしれないな。
いつだってダメになる。
いや、自分でダメにしている。
前に進まない理由を作って、
純情を装って、
いい加減いい年だよ。
何をしているんだか。
ある意味では成長していても、
ある意味では全く成長していない。
人生ってそういう繰り返しなのかな。
餌に釣られて前に進んでみる。
だけれども餌は餌だから、
手の届きそうなところでフッと消えてしまう。
人参ぶら下げられた馬みたいに、
そうやって走り回らされる。
何か大きなものの意思によって、
賢くならないといけない。
賢くなるって走るのを辞めるってことなのか。
それはわからないけれど、
顔色が良くなってきたようだから、
今はもう少しお休みしていればいいか。
もはや手遅れ、
今更焦ったところで変わらないのだ。