写真は一瞬を写し撮る。
その時の緊張や喜びを、
小さな四角い空間に閉じ込めて、
長い時間の中から、
ほんの一部だけを切り取った姿、
それがいつものその人とは限らない。
人の心は一瞬一瞬変わり続けている。
目まぐるしいほどに、
色んな表情があり、
色んな感情があり、
そして色んな環境がある。
ある場所では生き生きとしていても、
ある場所では暗くふさぎ込む。
ある人の前では明るく振る舞っても、
ある人のことは冷たくあしらう。
その時々でペルソナを使い分けて、
「自分」というものを演出する。
人生は劇だって言うけれど、
まさにそのとおりだ。
いつだって、
誰だって、
演じながら生きている。
「自分は何者なのか」
「自分の居場所はどこなのか」
それを問い続けることが人生なのかもしれない。
「加工はしてないよ。いい角度で撮っただけだから」
「何年か前の写真かな。私であることに変わりはないでしょ」
「写真詐欺ではない」
相手探しに躍起になるあまり、
そう主張する乙女たち、
そんなことをしたって、
会ってから傷つくだけだよ。
男は単純だから、
十中八九は容姿に期待して会う。
よほどでなければ、
性格は後からついてくるものなのだ。
「男だって加工しているでしょ」
男はきっと、
会ってからの話術とかで逆転できるのだ。
だけれども女性は無理、
それほど男は視覚に頼って生きている。
「写真と見た目が違う」
その一点が決勝点、
もちろん良い意味で違うのであれば話は別だけど、
何が書きたかったのかわからなくなってきたな。
「結局は会ってみないとわからない」
そうだ。
それが書きたかったのか。
会ってみても心の内なんてわからないのだけれど、
婚活って、
いっしょに幸せになる相手を見つけるためにするのかな。
それとも…
条件のいい異性を囲い込むためにするのかな。
すればするほどわからなくなる。