「クリスマスが今年もやってくる」
「楽しかった出来事を消し去るように」
いつからだろう。
こんなにもクリスマスを嫌いになったのは、
かれこれ9年ほど女性とは過ごしていない。
家族を除いては、
今年は特にダメージが大きい。
さんざん動いた末のこれだから、
傷心をえぐるかのように待ち構える、
年の瀬の「罰ゲーム」が今年もやってきた。
街はカップルたちを祝福するかのように、
きれいに彩られる。
この日ばかりは周りを気にすることなく、
二人の世界に没頭する。
まるで世界がそれを許してくれるかのよう、
そんな姿を横目に、
今日は一人寂しく家路につくのだろうな。
なるべく視界に入らないようにって、
意識すればするほどに惨めになる。
「罰ゲーム」
罪状は相手を見つけられなかったこと、
格差社会の象徴か。
私は恋愛弱者、
「吾輩は童貞である。経験はまだない」
著作権は切れているだろう。
その書き出しで本の1つでも出してみようか。
案外売れるかもしれないな。
大盛りあがりだった今年のM-1、
決勝での「かまいたち」のネタ、
自慢できること、
「トトロ見たことないねんで」
「これから先にトトロを見ることは出来ても、
一度見てしまったらトトロを見なかったことには出来ないやろ」
そこから始まる掛け合い、
それならば童貞も自慢できることなのかな。
「数々のチャンスを逃し続けて、
女性から逃げ続けてここまできたねんで、
これから経験することは出来てもなかったことは出来ないやろ。
俺はこれから先、経験する、しないを選べるねんで(お金さえ払えば)」
そんなくだらないことを慰めにして、
この聖夜をくぐり抜けることにするか。
一体今夜はどれだけのカップルが体を重ねるのだろう。
ディナーもホテルも予約で埋まっているのだろうな。
どこもかしこも、
お幸せそうなことで、
日本はまだまだ捨てたものではないのだろう。
「今年のクリスマスは中止になりました」
街はきらびやかに飾られている。
どうやら今年もそういう報道はないようだ。
「COLD LIMIT」
心が寒くて凍えてしまいそうだ。
「YO!SAY,冬が胸を刺激する。生足魅惑のサンタたち」
きっと私みたいなのがいるから、
意外と書き入れ時なのだろうな。
寒いのにご苦労なことで、
サンタさん、お体には気をつけて、