「あいつはあいつは可愛い、年下の男の子」
可愛いかどうかは別として、
今回の私は年下の男の子、ではなくおっさんか。
少し年上の女性と、
小洒落たランチをしてきた。
小洒落たどころか、
ランチにしてはかなりリッチだった。
「この値段で飲み物は別か」と思いながらも、
一杯ずつお酒をいただく。
相手が年上のお姉さまだからだろうか。
少々背伸びするくらいが丁度いいのだ。
もともと年上に可愛がられるタチ、
お相手の見た目は可愛らしい。
抜けていてマイペースだけれども、
年上だからか、所々でリードをしたがる。
どうやら私は「面白い」らしい。
女性との会話にもだいぶ慣れたものだ。
共通の趣味の話、
お互いの趣味・趣向を理解しながら、
意外な一面に心を揺らす。
そんなひとときだった。
この先があるのかな。
女性の態度から気持ちを読み取る能力は、
自尊感情とともに喪失してしまった。
とりあえず次のお誘いはしてみたけれど、
返事はまだない。
他愛のないやり取りでつなぎとめている。
私も相手もこの先を決めかねているのだ。
今週末にはまた別の方との約束がある。
こういう駆け引きみたいなのって、
本当に向いていないな。
同時にやり取りをして、
そのうちの一人としか結ばれない。
誰とも結ばれないことだってある。
「とりあえず」なのだ。
「とりあえず」先に進みたいから動いている。
「とりあえず」会って、
「とりあえず」付き合って、
「とりあえず」結婚する。
結局はそういうものなのかな。
まあいいや。
きっかけなんてどうでもいい。
最後に幸せになることができれば、
なんだっていいのだ。