人間なんていい加減なもので、
その時の気分や体調、ホルモンバランスなどで、
その主張は180度変わることも珍しくない。
自分が可愛いのだ。
そして自分を気持ちよくさせてあげたいのだ。
常に自分を慰めている。
何も性欲だけではない。
人は自慰ばかりして生きているのだ。
かなり衝撃的な作品だった。
機能不全家族の中で「家族欲」を満たすために自分を慰める。
ぬいぐるみ「ニナオ」を使った、
「カゾクヨナニー」と呼ぶ行為で、
人にはいろいろな種類の欲望がある。
だけれども手に入らないものも多い。
しらずしらずのうちに、
代わりのものでそれを埋めている。
「愛されたい」
そういう欲望が強いと、
恋愛体質になるのかな。
自分の中でのハードルを下げて、
「誰でもいい」って、
その中で後はタイミング、
ちょうどすっぽりと穴にハマるように、
お互いが惹かれていく。
そういう事なのかな。
条件がどうだとか、
状況がどうだとか、
そういうことに縛られているうちは、
おそらく恋に落ちることはない。
もっとフラットに構えていて、
ふとした瞬間にすっぽりと落ちる。
「笑窪は恋の落とし穴」らしい。
素敵な笑顔が恋へと誘うのだ。
私は理性的すぎる。
自分を、そして周りの環境をコントロールしたがる。
だけれども、
「愛されたい」
心からそう思っている。
もっと欲望に正直になればいいのに、
たとえ代わりのものであっても、
寄り添ってみれば案外うまくいく。
人って愛に飢えているのだから、
だから一度一緒になってしまえば、
それを与えてくれる相手からはなかなか離れられない。
そうして少なからず依存関係に陥る。
どんなにクズな相手でも肯定したがる。
悪いところを少しばかりの良いところで上書きしてしまう。
自分の欲望を満たして欲しいから、
あれこれ考えたって仕方がない。
結局は運命様に従えばいいのだ。
「なんで一緒になったの?」
夫婦に問いかけたときに、
最も多い回答は「好きだったから」ではない。
照れ隠しもあるかもしれないけれど、
「なんとなく」だとか、
「一緒にいて楽」だとか、
「タイミングが合った」なのだ。
一緒になるのに確固たる理由なんてない。
共通項を強いて挙げるならば、
「満たされたい」から、
人は「欲望」の奴隷、
行動の一つ一つが自分を慰めるため、
人は「満たされる」ために、
自分を「満たしてあげる」ために、
そのために生きているのだ。