そう言っている女性がいた。
私は女の人が怖い。
人はわからないものに惹かれると同時に、
わからないものを恐れるのかな。
そういうことはあるのかもしれない。
だけれども、
私の理由はおそらくそれだけではない。
たくさん傷つけられたから、
おそらくそっちの方だ。
これ以上傷つきたくないから、
だから関わる事が怖い。
求めたところで、
受け入れられない事が怖いから、
だからもう近づかない。
始まりがなければ終わりもないのだ。
遠くから眺めているだけでいい。
「綺麗だな」って眺めていればいい。
そうすれば綺麗なところしか見なくて済むから、
汚いところのない人なんていない。
どこかでそれを嫌悪する自分がいる。
私は自分のそういうところにも、
とことん向き合ってきたつもり、
人に対してもそれを求めてしまっているのかな。
だからズルさを野放しにして、
甘い蜜に群がる虫を捕食する様に、
人を道具のように都合よく使う。
そういう女がたまらなく嫌いだ。
綺麗な女性って、
そんなのばかりなのかな。
いや、男も同じなのだろう。
だから、
「男の人が怖い」
そういうことになる。
やはり男と女は違う生き物、
だからこそ「男」だとか「女」だとか、
そういう括りで見てしまう。
私は女性が怖いのではない。
若くて綺麗な女性が怖いのだな。
「人を食い物にしている」
きっと偏見が拭えないのだろう。
どこかで引け目を感じて、
受け入れてもらえるはずなどないと思っているのだろう。
そして、
偏見で相手を遠ざけることで、
自尊心を保つのだろう。
「恋愛対象」
そういう目的でしか、
女性を見ていない。
怖いのは、
若くて綺麗な女性ではないな。
本当に醜くて恐ろしいのは、
私の心なのだな。
女性を道具のように見ているのは、
私なのだな。
どうやら投げたブーメランが戻ってきたみたい。
さて、
これを受け止めるか。
これを受け流すか。
何だかもう消えてしまいたい。