
一度だけある。
大人になって、
自分から女性を好きになったことが、
思えばあれが初恋だった。
二十歳の時のバイト先、
一つ下の女の子、
一目惚れだった。
その日から毎日が楽しくなった。
連絡先を交換して、
一緒に帰るようになって、
思いを伝えたけれど、
「今はそういう時期ではない」
そう断られてしまった。
それからは、
人を好きになる心って、
枯れ果ててしまったのかな。
いつだってアプローチは向こうから、
「もしかして…」
そう思うところから恋が始まる。
だから気持ちを固めるのに時間がかかる。
半年から年単位で、
そして固めた頃には相手は冷めている。
そうやってうまくいかない。
その繰り返し、
少し前までは、
どんなに綺麗な女性を見ても、
「自分と関係が進むはずなどない」って、
そう思っていたものだから、
心が揺さぶられることはなかった。
だけれどもここのところは、
期待してしまうようになった。
「謎のモテ期」を経たせいで、
先日、職場の女性から言われたこと、
身近に結婚話があって、
そういう話題になった時だった。
私が「僕は結婚できると思っていませんよ」と話すと、
「ますをさんが行動起こすのを待っている女性はたくさんいると思いますよ」って、
そんなことを言われた。
「世界中の女性を悲しませないために結婚できないんですよ」って、
ローランドばりの一言が頭を過ぎるも、
言葉にするのをやめた。
なんだか女性からそんな言葉をもらって、
それだけで少し救われて、
少しだけ期待してしまう自分がいる。
女性は直接的な言葉はくれない。
態度で匂わすだけなのだ。
それを勘違いして傷ついて経験もある。
私みたいなこじらせ男には、
難易度が高すぎる。
「気になっている」ならば、
「気になっている」ってそう伝えてよ。
そんなヘタレ男、
乙女すぎて話にならない。
加えていい感じになっても、
少しでもダメかなと思うと身を引いてしまう。
「好き」が先行していないから、
「何がなんでも」って、
そういう気持ちがないのだ。
世のカップルたちって、
どうやって一緒になっているのだろう。
もはや私にはそれがわからない。
白馬に乗った女騎士様を待っていても、
そんな稀有なジョブの女性には巡り会えないのかな。
「ジェンダーレス」って言ったって、
多数派の求める「男の役割」ってものがあるのだ。
そんなことを考えている暇があるならば、
乗馬の練習から始めないといけないな。
「好き」って思った人に巡り会えた時に、
男らしくアプローチするために、