
情報は少ない。
どうしたらいいのかわからないのに、
やらなければならないことは山積みだ。
予定日は刻々と近づく。
お腹を抱えながら、
仕事を抱えながら、
家事を代わりにしてくれる人はいない。
「感染するわけにはいかない」って、
慎重に慎重を重ねて生きているのに、
同居のあいつは普段と何も変わらない。
そんな無神経さに苛立っては「自己嫌悪」
「自分だけの体ではない」
その言葉が大きなプレッシャーとなる。
好意の押し売りが重荷になる。
「そんなことはわかっているよ」って、
言葉にならない声が漏れる。
「不安」
何度も自分と向き合いながら、
お腹から伝わる鼓動に向き合いながら、
何度も何度も「覚悟」を固めたつもり、
だけれども毎日揺らぐ。
普段では気にもしないことで、
そんなちょっとしたことで大きく揺らぐ。
そのたびに「自己嫌悪」
そして一番近くの一番当たりやすい人に当たって、
また「自己嫌悪」
「不安で仕方がないんだよ」
ただでさえ「不安」なのに、
その上から「不安」が重なる。
不安、不安、不安、
上からも下からも不安がやってきて、
不安に押しつぶされてしまう。
だけれども、
お腹だけは押しつぶされないようにって、
身を挺して必死に「宿した命」を守る。
その姿は美しい。
この上なく美しい。
大丈夫、
この世のものとは思えないほどの、
感動に心を震わせる。
そんな出会いの瞬間は、
きっともうすぐだから、
あなたは自分と向き合い続けている。
この10ヶ月って「自己嫌悪」との戦いなのだ。
そして新しい命とも向き合っている。
「命」と向き合う。
それってとても大変なこと、
辛くて、苦しくて、孤独なこと、
だからその戦いに勝利した先に、
輝かしい未来が待っていないわけがない。
だから負けるな。
妊婦たち、
コロナに負けるな。
そしてありがとう。
苦しみに耐えてくれて、
ありがとう。
きっと生まれた宝物を見て、
誰もがそう言ってくれるはず、
普段は無口で不器用なあいつも泣きながら、
心の底から「ありがとう」って、
きっとそう言ってくれるはず、