「異世界系」ばかりを漁っている、
そんな私の視聴履歴を見てか、
Amazonプライムからやたらとオススメされる作品だった。
『リメンバーミー』以来だろうか。
最後のシーンで久々に泣いた。
原作は漫画アプリcomicoで連載されていた、
web漫画とのこと、
非現実的な設定だが、
その演出は見事なもの、
とても「魅せる」作品だ。
シーズン1の最後に明かされた秘密は衝撃的だった。
シーズン2の4話は、
そのどれもが甘酸っぱく、
「青春」の魅力を余すことなく伝えている。
あらすじはこうだ。
新卒で入社したブラック企業、
女性ながら営業成績トップ、
そんなお世話になっていた先輩社員が、
妬みから社内のいじめにより自死、
それを自分のせいと捉えた主人公は、
3ヶ月で務めていた会社を辞める。
その後の就職活動はうまくいかず、
社会にトラウマを抱える27歳フリーター、
コンビニバイトだが、
友人と飲みに行く時はわざわざスーツに着替えて参加、
仕事帰りを装っている。
そんな彼の元に突然現れた、
「リライフ研究所」を名乗る男、
男は告げる。
「人生やり直しませんか」と、
怪しげな薬を飲むと、
意識はそのままに体が若返る。
この辺りは『名探偵コナン』か。
そうして周りには自分が大人だということは一切伏せて、
高校生に戻って1年間をやり直す。
その結果により就職先を斡旋される。
学生生活を送る中で、
動かなくなってしまった心を動かすのだ。
そういう社会復帰プログラム、
高校3年生の1年間、
社会人経験を生かして、
同級生たちを大人に導いていく主人公、
その中で主人公自身も大きく変わる。
友情を結んで、
友人の悩みに首を突っ込んで、
人の恋を成就させたり、
自らも恋に落ちたり、
ヒロインは設定そのまま『君に届け』の爽子だ。
不器用だけれども一途な努力家、
笑顔を作るのが下手で誤解されるけれども、
主人公に影響されて徐々にクラスに溶け込み親友ができる。
やがて、その彼女にも大きな秘密のあることが明かされる。
揺れ動く感情、
「大人になること」
それってある意味では、
「心を殺してしまうこと」だから、
もう一度、心を動かせる環境に身を置くのだ。
「大人」を経験してみると、
どれだけ学生時代の一日一日が大事だったかと思う。
それを主人公の視点から描く。
「青春」って、
何ものにも変えられない「金の思い出」なのだろう。
一話ごとに変わるエンディングがまたいい。
その物語とマッチした90年台後半から2000年台前半にかけてのヒット曲、
私にとってはそのどれもが懐かしかった。
最後から2話目だろうか。
久保田利伸の『LA ・LA ・LA LOVESONG』に繋げる演出は見事だった。
「ReLIFE」
もしもそのようなチャンスがあるのならば、
私もやり直してみたいものだ。
仕事も居場所も収入も、
それなりのものは手に入れてきたが、
恋愛については後悔しかない。
チャンスを逃し続けて、
このような惨めな今に至る。
映画『恋は雨上がりのように』を見た時も感じたけれども、
不器用に真っ直ぐに想いを伝える。
失うものはないから、
守りに入ることもない。
ただ真っ直ぐに「好き」って伝える。
そういう高校生の後先考えない恋愛に憧れる。
私の経験してこなかったものだから、
去年は散々婚活に勤しんだ。
条件だの、先のことだのに足を引っ張られて、
好きでもない相手を好きになろうとする。
相手もおそらく同じなのだろう。
「気持ち」よりも「現実」が先に顔を出す。
そんな世界に身を預けていたものだから、
なんだか疲れてしまった。
「駆け引きなんてできない」
エンディングの一つ、
YUIの『CHE.R.RY』
その歌詞の中にもあるけれど、
「好き」
その気持ちに駆け引きなんて必要ないのだ。
そういう恋愛って、
もう経験することができないのかな。
「好き、ただ好き」
その先に結ばれる未来があるのならば、
それはどんなに幸せなことだろう。
人はいつまで経っても無い物ねだりなのだ。
それは仕方のないことなのかもしれない。
『ReLIFE』
「もしも」って、
人生に「淡い幻想」という彩りを与えてくれる、
そんな素敵な作品だった。
やり直せるならば、
私は大学1年の終わり頃からがいい。
初恋を迎えるその辺りからやり直したい。
それはどれだけ望んでも、
もはや叶わぬことなのだけれども、