近ごろ時間ができたものだから、
久々に連絡を取った友人に誘われてアプリのゲームを始めた。
それまでは気にもしなかったが、
意識すればやたらとCMをしているやつだ。
このシリーズの往年の名作は一通り経験している。
名前は伏せるけれど、
オートバトルだからテレワーク中も勝手に進めてくれるし、
コツコツとやればやるほどにキャラは強くなる。
なるほど、リアルは進まなくても、
ゲームの中では先に進んだ気になれるのか。
この点は確か、
調べてもエビデンスはなかったのだが悪しからず、
「何も進まない」
それどころか、
いくら努力しても後退することもある。
リアルは努力の報われないことばかりだ。
掛けた時間が水の泡になることばかりだし、
「人間関係」という正解のないものと向き合い続けなければならない。
自らの意思で始めたわけでもないのに、
どうしようもないハンデを背負わされていることもあれば、
世間で言う攻略法と寸分違わない行動をしても、
クリア出来ない課題などザラにある。
「人生」ってまさに無理ゲーだ。
だから努力の報われるゲームに人はのめり込む。
人は居場所のないことには耐えられない。
だから居場所を求める。
ゲームの世界では自分は成功者、
他の人ができないことをやっている。
そうやって自尊感情を高める。
「ゲーミフィケーション」って、
ビジネスやマーケティングにも応用されているけれど、
「積み重なる数字」には魔力がある。
人は数字の積み重なりに快感を覚えて、
その虜になる。
私もよくやっていることだけれども、
努力するためには達成可能な目先の数字を目指して、
それを達成したらすぐにまた少し先の目標を立てる。
それが効果的らしい。
例えば筋トレをする時に、
まずは10回を目標にやる。
そのあとは15回、そして20回と目標を上げる。
最後は「あと一回」の繰り返しだ。
そうやって限界まで追い込む。
その積み重ねで少しずつ限界を超え続ける。
それこと「数字の魔力」だ。
だからゲームにハマるって、
「数字の魔力」に魅了されるってことなのかな。
リアルでは満たされない欲求を、
数字の積み重ねとともに実感する。
人は報われる努力が好きなのだ。
自分の努力を信じるために、
そしてゲームの世界では英雄になれる。
その射幸心を煽るビジネスモデル、
それでプロ野球の球団を持てるくらいだから、
なんともうまくできているものだ。
「先に進んでいるかわからない」
そんな情勢だから、
確かなものが欲しくて、
「感染者数」や「株価」なるものに夢中になる。
鬱々とした不安を癒すために、
ゲームの中では前進していれば良い。
やるべきことはしっかりとこなした上で、
それに夢中になっていれば、
気がついた頃には状況は変わっているかもしれない。
生活を乱さない範囲内で、
ゲームに夢中になるのも悪くないのかもしれない。