いつもより時間があるものだから、
人の揚げ足を取ることばかりに夢中になっている、
そんな人がいる。
かたや、
不安なものだからその感情を共有するために、
世の中には応援の言葉があふれている。
この二つは真反対のように見えるけれども、
動機は大して変わらないのだ。
「自分の存在意義を世に示したい」
きっとそういうこと、
なんだか心の距離も、
「ソーシャルディスタンス」を進めているのかな。
画面越しにしか人とつながっていない。
やはり直接顔を合わせないと距離は遠くなる。
何度かオンラインで飲み会をして、
それはそれで面白いことは分かったけれど、
生身の「熱感」ってきっとある。
目の前の人はどういう思いを抱いているのか。
そういうのって体から発する熱で伝わる。
「ソーシャルディスタンス」
そうやって、
物理的に距離を取ってしまうものだから、
温度が伝わらない。
体だけではなくて、
自然と心も離れてしまっているみたいだ。
「生身に触れたいな」
そう思ってもそれはタブーなのだ。
人はそれを禁止され続けると、
どこへ向かってしまうのだろう。
デジタルの世界にそれを求めるのかな。
少し前に話題になったけれども、
アダルトサービスがこぞって無料を打ち出した。
それに殺到して無料登録した人の個人情報流出なんてこともあった。
Amazonプライムもそうだし、
wowowやネットフリックスなんかも好調なようだ。
人の欲求はデジタルだけで満たされるように作り替わるのかな。
だけれども、
逆に相手のいる人は距離を縮めている。
私の周りでは騒動後も入籍する人が増えた。
学校が休みになって、
未成年の妊娠が増えて相談件数が過去最高なんて報道もあった。
「生身に触れたい」
きっとそれって根源的な欲求、
他のものに代替することはできないのだ。
遠い将来のことは分からないけれど、
少なくともまだまだ人は、
生身で触れ合うことを求めているのだ。
ZARD 『My Baby Grand ~ぬくもりが欲しくて~』
ぬくもりが欲しくて
人混み歩いた
ブルーなときはそばにいて
今ならもっと素直になれる
街中がやさしい
Mr.Children『旅人』
情報過多で簡略化だぜ
文明の利器は僕らをどうして何処へ運んでく
誰だってしんどい
集団で牛丼食べて孤独な想いを消してんだ
ほらもう少しの辛抱
あわてん坊よ焦るな
これを機にますます効率化が進んで、
人同士がデジタルでばかり繋がるようになったとしても、
どこかに残る「本能」というもの、
私はそういうものを信じている。
これから我々がどこに向かったとしても、
孤独や不安や弱さを抱えて生きる。
そして「居場所」を守るためには強かになれる。
どこまでいっても、
そんな「強く儚い」生物でありたいものだ。