「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

エントロピー増大の法則

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「秩序から無秩序へ」


あらゆる事象は手を加えてやらないと、

「無秩序」へと歩みを進めていくのだ。


人の営みはそれに抗うように、

「秩序」というものを形成した。


「コミュニティ」を作り「教育」を施し、

「善悪」という価値判断基準の定義を目指すことで、

エントロピーの増大」に抗い続けているのだ。


エントロピーの増大」


もともとは熱力学の分野で生み出された言葉、

それがあらゆる事象に当てはまるため、

一種の学術表現として定着したようだ。


エントロピーが低い」→ 秩序が保たれている

エントロピーが高い」→ 無秩序


物質の構成要素は時とともに霧散していく。

「蒸発」という現象がそうだ。


固体や液体だった物質が気体へと変化し、

原子は霧散する。


「秩序」を失うのだ。


エントロピーの増大」


そういう自然界の法則に抗うから、

「『生きる』ことは大変なこと」


ある記事で見つけた言葉、

妙に腑に落ちた。


「秩序」を作るということは、

ある意味では不自然なこと、


「ルール」を作る側がいて、

「ルール」を作られる側がいる。


マイケル・サンデル

『これからの正義の話をしよう』


随分前に話題になった本だけれども、

その「ルール」が人類の幸福に寄与すると信じて、

「コミュニティ」が力を持つようになる。


教会的権威主義に始まり、

「最大多数の最大幸福」を掲げる功利主義を経て、

カント的人道主義に至る。


様々な学派があるものだから、

一概に何が正しいということは言えないけれども、


「人権」

それが当たり前のように保証される。

 

一部では権利の主張ばかりが一人歩きして、

本来の目的を逸脱しているけれども、

世界的に見てそう言う方向に進んでいることは間違いない。


「モノ」として扱われていた「命」


それを「唯一無二」として表舞台に引き上げて、

「命よりも大事なものはない」って、

そういうお題目が多くの人に支持される時代だ。


むしろ「命」を大事にしすぎるあまり、

パーソナリティが肥大化して「個人主義」に陥る。

そういう兆候が見えて久しい。


これも「エントロピーの増大」なのか。

人は結局「無秩序」を希求して止まないのかもしれない。


均一化した世界に同化されて、

「パーソナリティ」が失われることを恐れている。


「社会の部品」であることを拒み、

自分が何者であるかを追い求めて、

「存在価値」を証明しようと躍起になる。


それって、

秩序の象徴たる「社会」から、

霧散したいってことじゃないのかな。


情報は簡単に手に入る時代、

それが「エントロピーの増大」を加速させたのだ。


学校に通って、働いて、結婚して、

子供を産み育てて、

それが当たり前のように思われていた「秩序」の時代、

それにも限界が来てしまったのかな。


ジャンプで連載中の『Dr.stone


私はアニメしか見ていないけれどとても面白い。

人類進化の過程をわかりやすく科学的に描いている。


コミュニティには「旗」が必要なのだ。

独裁者たる「王」のカリスマ性や、

「科学」で豊かさを実現するという「旗」が、


今はその「旗」が不明確だ。

世界は、少なくとも民衆は、

例外なく「平和」を求めているはずなのにね。


民族主義」みたいな自国優先の「旗」を掲げたと思ったら、

一方では「人種差別」という「旗」を不当に利用して、

痛ましい事件を起こすような人もいる。


「自分」という枠を大事にするのはわかる。

「個」という境界なくして世界との関わり方は見いだせない。


だけれども、

もう少し外の世界のことも、

「自分ごと」にしてみたらいいんじゃないかな


「パーソナリティの肥大化」は、

エントロピーの増大」によるものなのであれば、

そこに対して手を打ってきたのが人類の歴史、


「コミュニティ」で解決させるには限界が来た。

次は何が登場するのだろう。