アニメ『宇宙よりも遠い場所』全13話を見た

f:id:tureture30:20200802092011j:image

 

評価が高く、

ずっと気になっていた作品、

 

例の如くAmazonプライムだ。

 

アニメが原作、

そこからコミカライズされたようだ。

とても丁寧に作り込まれている。


1話からゾワっとした。

演出は凄まじい。

テンポもいい。

 

全13話もあれば、

いくつかは中身のないいわば「つなぎ」

大体の作品がそうできている。

 

ところがこの作品、

捨て話が一つもなく、

全てに感動とカタルシスがある。

 

自然と顔が綻ぶかと思えば、

「グッ」と涙を堪えるようなシーンに切り替わる。

感情を上下左右に大きく揺さぶる。

 

素晴らしいの一言、

紛れもない名作だ。

 

主役となる4人の女子高生、

それぞれのモヤモヤを抱えて、

宇宙よりも遠い場所」である南極を目指す。

 

みんな違う方向に不器用でまっすぐ、

そして混じりっ気なく心がきれいだ。

 

南極に行って「ザマーミロ」って言ってやりたい。

そう言って、

理不尽と向き合いひたむきに戦う子、

 

「何者かになりたい」

そんなモヤモヤを感じながら過ごす子、

 

「本当の友達が欲しい」

そう思って踏み出したけれど、

気がつけば友達、

 

だけれどもその友達を信じられなくて、

試すようなことをしたりして、

ぶつかり合うこともあって、

互いのために泣きあえる。

 

つながる絆、

「南極」という目的一つで気持ちが繋がった。

そんな素敵な4人だ。

 

そして、

4人を囲む味のある大人たち、

大人たちもそれぞれ葛藤しながら生きている。

 

愚直に不器用に、

ひたすらに目的に突き進む。

ある意味では子供っぽい。

 

だけれども、

子供たちの前では「大人」であり続けるのだ。

そのカッコよさ、

 

「子供」に憧れてもらうのも、

「大人」としての責任だ。

そんなメッセージを感じる魅力的な大人たち、

 

f:id:tureture30:20200808182538j:image

 

「子供」からの脱却、

 

自分の足で新しい世界への一歩を踏み出す。

秒速5センチメートル』でもあった描写だけれども、


人類で初めて月に降り立った、

アームストロング船長ではないけれど、

「小さな一歩でも人生にとって大きな飛躍の一歩」

 

だれしもがどこかで、

そんな一歩を踏み出していたのだ。


もう随分と前のことだから忘れてしまったな。

私が初めて一人旅に出たのは大学の頃だろうか。

 

「一人旅は性に合っている」だなんて、

帰りにはちょっぴりだけど、

誇らし気だったことを覚えている。

 

「全てが輝いて見えてな」って、

「こういう時期もあったな」って、

そういうカタルシス


「友達」とは何か。

終盤のテーマとなるそんな問いかけ、

 

詳しくは書かないけれど、

救われたシーンがある。

 

「私の大事な友達を傷つけておいて、

謝って救われようと思うな。

一生モヤモヤを抱えながら生きていきなさい。

それが人を傷つけた報いだ」

 

内気な少女が、

そんな事を叫ぶシーン、

 

「許せなくても良いんだ」って、

「相手を一生苦しめても良いんだ」って、

「許さない私が悪いんじゃないんだ」って、

なんだか救われた。

 

「少女たちが大人の階段を登る物語」

 

旅の前と後では、

同じ景色が180度変わって見える。

 

当たり前のように見えていた日常、

そこにある景色は当たり前ではないのだ。

そのことに気がついてしまった。

 

「先に進んでしまったのだ」

 

知ってしまったら最後、

もう子供のままではいられない。

 

「子供」は「大人」になりたがるけれど、

「大人」は「子供」に戻りたがる。

 

だけれども、

いくら望んだところで、

脳が正常な限りは元には戻れないのだ。

 

「私たちはもう私たちになったんだから」

印象的なセリフ、

 

これから彼女たちを待ち受ける世界、

それまで以上に厳しく残酷な世界だ。

 

だけれども、

周りには信頼できる仲間がいる。

その仲間にその身を委ねる強さを手に入れた。

 

そして「また会おう」って、

「約束の場所にみんなで揃っていこう」って、

そんな「希望」を手に入れた。

 

宇宙よりも遠い場所

 

人の心の奥深くにも、

それはあるのかもしれない。

 

長い時間をかけて、

ひたむきに向き合って、

向き合い続けて初めて到達できる。

そんな場所、

 

そこに到達して初めて、

「自分」になれるのかな。

 

最終話を見終わった後で、

もう一度初めから見ている。

こんなことは初めてだ。

 

私の心が求めているもの、

「初めの一歩を踏み出した時の無垢な感情」

 

世界が輝いて見えた。

未来は希望で溢れていた。

 

「子供」から「大人」になって失うもの、

「大人」から「自分」に生まれ変われた時、

人はもう一度「子供」から見える世界のように、

「輝いた世界」を取り戻せるのかな。

 

どこまで行っても自分次第だ。

全ては自分の力で掴み取るのだ。

 

もう一度、

「輝いた世界」を取り戻したい。

「現実」なんて飛び越えてさ。

 

「生」を実感したい。

そんな気持ちを呼び起こしてくれた作品、

 

自信を持って勧める名作、