「特別なお話があるのです」
そんな謳い文句で始まった。
「手が離せないのでメールで送っておいてください」
私がそういうと、
「特別なお話だから電話じゃないとダメだ」という。
時間を指定して一度切ると、
約束から30分ほど遅れて2度目の電話がかかってきた。
「ウォーターサーバを無料でお使いいただけます」
どうやらそういう話らしい。
「お送りしてもご迷惑ではないでしょうか?」
レンタル料も送料もメンテナンス料もかからないという。
純粋に水代だけで使えるので、
こちらに不利益など全くないかのような口ぶりだ。
詳しく突っ込んで聞いてみると、
どうやら3年間は返却できないらしい。
3年以内に返却する場合は、
15000円の回収料を取るとのこと、
肝心の水の値段、
ものすごく安いかのような口ぶりだが、
全く安くはない。
確かペットボトル500ml換算で70円くらいだったか。
2リットルをその値段で売っているところはごろごろある。
おそらく諸経費を上乗せしているのだろう。
はじめの2か月間は水も無料らしいが、
それだけで解約できるのかを聞くと、
3年は解約はできないらしい。
そこからは2か月ごとに、
アプリから「注文キャンセル処理」なるものをしなければ、
延々と水が届くとのこと、
こんなの高齢者にできるはずがない。
「いいお話だと思うのですが、
何に不安を感じていらっしゃるのでしょうか?」
いやいや不安どころか全てに不満だ。
こんな電話に時間を取られたことすら不満だ。
一通りネタばらしをさせた後に、
「それって無料ではないですよね」
そう突っ込むと、
「そうですね」とついに認めた。
「ショップジャパン」
一度だけ利用したことがあるだけだ。
それだけで、
「特別なオファー」とけしかけて詐欺話を持ってくる。
電話口で了承したら、
それだけで送り付けてくるつもりだったのかな。
詳しく突っ込まなければ、
こちらには何の不利益もないかのように丸め込み、
送り付けようとする。
おそらくクーリングオフはできるのだろうけど、
CMをバンバンやっているような会社が、
平気でこういうことをするのかと思った。
これでは高齢者や押しに弱い方は騙されてしまう。
コロナ禍の世知辛さ、
そういうものが迫ってきているのかな。
それともこの会社がおかしいだけなのか。
「自分さえよければいい」
生活が保証されなくなるほどに、
世界はそういう方向に進んでいく。
マズローの5段階欲求、
ピラミッドの下の方が脅かされるのだ。
だけれども「信用」
そういうものを積み重ねることが大事なのだ。
目先に利益ばかりを追って、
人を「金づる」としか見ていない。
今は情報化社会だから、
「クズな商売」は白日の下に晒される。
誤魔化しなど効かないのだ。
この商売にGOを出した人物、
経営者として終わっているんじゃないかな。
いや人として終わっているのかな。
「10件かけて1件でもバカが引っかかればいい」
そういうビジネスモデルってあるけれども、
それって9件分の「信用」を失って1件分の「恨み」を買うってことだ。
ささやかな利益と引き換えに、
電話をかけている人だってさ。
「詐欺」だって気が付いているんでしょ。
だけれども「食べる」ダメにそういうことをするのだ。
なんとも世知辛い。
もともと使う予定もなかったけれど、
もう二度と「ショップジャパン」は使わないと思った。
客も従業員も、
人を道具としか見ない会社に未来はない。