スワローズが弱すぎる。
もはや閉口するほどだ。
7月までは上位争いをしていたはずなのに、
8月からは大失速、
引き分けを挟んでの5連敗、
8カード連続の負け越し、
連敗を止めてきたエース小川泰弘でも止まらず、
順調に借金を積み重ねている。
一時は首位にまで立ったのだから、
「力がない」わけではないのだ。
「選手層の薄さ」
それが最大の弱点だろう。
特に今年のような過密日程では、
選手を休ませながら戦う。
代わりの選手がどれだけやれるかが大事なのだ。
スワローズには、
謎の「70人ルール」なるものが存在する。
70人は日本プロ野球チームにおける、
支配下登録枠の上限だ。
1軍の試合に出られる選手はこの70人でやりくりしなければならない。
これは全12球団共通のルールだが、
最近は多くのチームがドラフト育成指名で選手を獲得したり、
独自の海外ルートで若い選手を獲得したりと、
この70人を超えて選手を囲い込んでいる。
ソフトバンクと巨人はその成功例の筆頭だ。
今年のセ・リーグで巨人が頭2つも3つも抜けているのは、
育成に力を入れてきた功績が大きいだろう。
ところがスワローズの「70人ルール」
育成枠を含めて「70人」しか選手を取らないのだ。
前述のソフトバンクと巨人は、
支配下登録枠70人に加えて、
育成選手を20人以上抱えている。
育成選手とはいえ有望選手だ。
その分チーム内の競争は激化する。
それがチームにもたらす効果は大きいだろう。
そこから成り上がる選手も少なく無い。
ところがスワローズにはそれがない。
競合と比べると、
単純に20人ほど少ない状態でチームを運営しているのだ。
ケガが重なると、
2軍の試合で捕手が内野を守ったり、
投手が外野を守ったりもする。
極めつけは人数が足りずに試合を回せないものだから、
一度引退したバッティングピッチャーと再契約したこともあった。
これではチームが強くなるどころか、
対戦相手に対して失礼だ。
プロ野球チームとして恥ずべきである。
なぜこれほど「70人ルール」にこだわるのか。
理由は明かされていないが、
いつかのインタビューで当時2軍監督だった高津監督、
確か「大人の事情」だと話していた。
想像するに球団の方針か設備の問題なのだろう。
いずれにしても現場レベルではどうしようもないことのようだ。
先行するチームからは少なくとも5年は遅れている。
このまま何も手を打たなければ差は広がる一方だろう。
今年FA権を獲得した2人の選手、
「山田哲人」と「小川泰弘」
スワローズの投打の要だ。
二人とも他球団に流出濃厚との報道も出ている。
「仕方ない」とは決して思わないけれど、
弱いままでも球団の姿勢が変わらないようならば、
残念ながら「出ていきたい」というのも理解できてしまう。
今年は途中まで期待が大きかっただけに、
本当に面白くない。
隔年でそこそこ結果を出す。
監督が変わった年は結果を出す。
そんなジンクスも立ち消えだ。
このまま何もしなければ、
暗黒時代に突入する。
ファンのほとんどはそう思っている。
フロントはそれだけの危機感を持って欲しい。
そう切に願う。