雅な街「神楽坂」
所用あって、
「カフェドクリエ」でモーニングを取りながら過ごす朝だ。
「カフェドクリエ」のどこが優雅なのだ。
そんな声があるかもしれないが、
普段は朝食を簡単に済ませる私、
斜向かいにはグラサンをかけたグラマラスな美女、
それを横目にコーヒーをすすっている。
私にとってはなんとも優雅な朝だ。
降り始めた雨に呼応して咲く傘の花たち、
そんな色とりどりの花たちが雲間に射す光に揺れる。
そんな幻想的な朝だ。
向かいの店、
ガラガラとシャッターを開ける女性の姿、
どうやら経済活動は、
今日も普段と同じように始まるらしい。
活気付く街を横目に、
ふと浮かぶ感情、
気持ちのいい「ごちそうさま」を言って、
この店を後にしたいな。
そう思った。
そのまま「Go To Home」とはいかず、
連休明けの憂鬱な仕事が待っている。
だけれども、
ここからがまたスタートなのだ。
来週は久々に女性とデートの約束を取り付けた。
もう半年以上も自粛を続けていたのだ。
この4連休で各地は、
今年一番な賑わいを見せたらしい。
痺れを切らしてきた。
みな、心を開放したいと望んでいるのだ。
「withコロナ」って言葉、
はじめは「耳障りの良いことを言って」
だなんて思っていたけれど、
「命の使い方」
時は有限で、
その瞬間は一度しかないのだ。
史上初めて中止になった甲子園大会、
それだけではない。
今年の高校3年生にとっては、
それこそ命をかけて取り組んできた3年間を、
不本意な形で終わらせることになったのかもしれない。
だけれども未来は続いていく。
今を積み重ねて一歩一歩進んでいくのだ。
隣で熱心にアルコールスプレーを吹きかけて、
テーブルを磨く可憐な店員さん、
1時間足らずの滞在でもう3度目だ。
日本人は勤勉なのだ。
言われなくてもマスクをするし、
言われたら多くはその通りに対策に励む。
たくさんの努力が重なって、
出来上がる未来がある。
だから「withコロナ」
私の行動もそちらに寄せることにしよう。
今を積み重ねて、
未来へと生きていくために、
自然と一緒に居られる相手、
心がそういう相手を求めているのだ。
今回はしっかりとチャンスを掴み取りたい。
そう思った朝だった。
「ごちそうさま」
今日も私の人生は続いていくのだ。