ひょんなことから、
10代の男子と話す機会があった。
彼女に誕生日プレゼントを贈るということだったので、
「どういう感じの彼女なの?」と聞いてみると、
遠距離でゲームで知り合ったから一度も会ったことがないとのこと、
話を聞いていても「たぶん」とか「おそらく」とか、
そういう言葉が多いので、
もしかしたら姿を見たこともないのかもしれない。
だけれども、
「付き合っている」みたいだ。
思い起こせば、
若い時の恋愛なんてそんなものだったのかな。
将来のことなんて考えないから、
とりあえず「相手」がいることが大事なのだ。
私も二十歳のころにいた唯一の彼女は、
女友達からの「なしくずし的に」付き合うことになった。
「若い」って、
そういうものなのかな。
ドラマ『リモラブ』
波瑠さん演じるお堅い産業医が、
ゲームのチャットで知り合った男性に恋をする。
お堅いところから始まったのに、
崩壊していくキャラクターがなんとも可愛らしい。
役での年齢は28だ。
結婚を意識するお年頃、
それでも「寂しさ」を感じていたところに、
その心のスキマを埋めてくれた、
文字でしか繋がらない相手、
その相手に気持ちをどんどん膨らませていく。
「将来のこと」
そんなものは関係ないのだ。
人は「孤独」に耐えられない。
だからそこに光が差し込むと、
その光に触れてみたいと思う。
そして一度触れてしまったら最後、
その温かさに心を奪われて、
気がつけば相手のことばかりを考えるようになる。
「恋の始まり」って、
そういうものなのかな。
「相手がいない」
それだけで「性としての自尊心」は傷ついていく。
俺は男である。
私は女である。
その確証が得られなくて、
「異性」から求められる事で、
それを確かめようとする。
だから目の前にあるツール、
そういうものから感じる「異性」に惹かれてしまうのかな。
かく言う私もアプリで知り合った女性と会っている。
婚活を再開したきっかけは「孤独」が大きかった。
「前に進んでいない感覚」に耐えられなかったのだ。
「彼女とは一度も会ったことがない」
そう言われた時に、
前の私ならば、「否定」はしないまでも、
「肯定」もしなかっただろう。
「その関係に未来はあるの?」って、
きっとそんな冷めた目で見ていたはずだ。
だけれども今の私は、
それを聞いて「応援したい」とまで思う。
どのようなきっかけであっても、
関係がどのように変化していくのかはわからない。
それに当人同士が満たされていればいいのだ。
このような世の中だから、
少しでも「幸せの総量」を増やしていくことは必要だ。
例え一時的で終わったとしても、
「幸せな時」というものは、
人生に好影響を与えてくれる。
そしてその積み重ねが、
「自尊心」を育むのだ。
男も女も単純なもので、
ただ「相手がいる」というだけで、
少なからず満たされるもの、
その後がどうなったとしても、
その時が満たされていれば、
それでいいのだ。
いつ人類が滅びるのかもわからない。
理不尽に誰かの幸せを奪うものでなければ、
刹那的に生きればいいじゃない。
そのほうが「生きている」と実感できるはず、
もっと、
世界が幸せで満ち溢れればいいのに、