自分が積み重ねてきた「努力」や「時間」
人はどうしたってそういうものを信じて生きている。
そしてそれを捨てなければならないことになったら、
大きな痛みを伴うことになる。
だからそうならないように、
「居場所」を失わないように、
例え合理性に欠けていたとしても、
人はそれを防ぐために躍起になる。
そうやって「理不尽」が生まれるのだ。
「間違い」を認められればいい。
それもまた「経験」だ。
そうやって自分の価値観をアップデートする。
人生なんてその繰り返し、
だけれども、
みんな「自分が正しい」って、
そう思いたがる。
積み重ねてきた「経験」
そういう名前の信仰を否定されたくないから、
「生きる」ってことはさ。
「痛み」を伴うものなんだよ。
どんなに完璧を目指したってさ。
完璧になんてなれっこないんだから、
年をとればとるほどに、
「経験」という名前の足かせは、
根付いて離れなくなってしまう。
心は「しなやかさ」を失ってしまうのだ。
人の記憶は都合のいいもので、
「失敗」はすぐ忘れるくせに、
「成功体験」は麻薬と同じだからさ。
人生で勝ち得た一つや二つの「成功体験」
それを大事そうに抱えながら、
いつまでもしがみついて生きている。
価値観のアップデートは大変な作業だ。
だからと言って先送りしていると、
サポート期限が切れてしまう。
「誰も相手にしてくれない」
そうなる前に「痛み」を恐れないでさ。
アップデートの材料を探し続けるしかない。
いつまで経ってもアップデートを繰り返す。
死ぬまで繰り返す。
「痛みを伴わない人生」なんて嘘だから、
色んな「痛み」を経験してそれを血肉に変えていく。
「傷つけるのが怖い」だなんて嘯いているけれど、
本当は「傷つくのが怖い」だけなのだ。
私の「恋愛」におけるアップデートは、
随分前から止まったまま、
表面的なやり取りはだいぶうまくなったけれど、
関係を深めるには至らない。
私は「誠実」にしがみつきすぎている。
そのせいで自分が傷ついて、
傷つくことを恐れて、
そればかりか、
かえって傷つけている人がいるのかもしれない。
私が臆病なばかりに、
流れに滞りが生じてうまく回らないのだ。
結局は「命の使い方」
どこか突き抜けるような一点突破、
それを目指して生きるしかないのかな。
いつまでも見える景色は変わらない。
それもありがたいことなのかもしれないけれど、
私はそれに物足りなさを感じている。
うまく「呼吸」を使いこなせていないのだ。
『鬼滅の刃』煉獄杏寿郎の言葉、
「心を燃やせ」
過去に縛られるのではなく、
永遠に続く未来に想いを馳せるのではなく、
「今を生きる」ということ、
300億の男となった煉獄さんの生き様は、
それを教えてくれているのかもしれない。