「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

「異世界転生もの」が世の中に求められている理由

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私も最近好んで見るようになったけれど、

少し前から流行っている「異世界転生もの」のアニメ、

「なろう系」の小説を原作しているものが多いらしい。


大抵のあらすじはこうだ。


若くして不慮の事故で命を落とす主人公、


「もっと何をしたかったな」だとか、

「童貞卒業したかったな」だとか、

未練タラタラな様子で死の淵に沈んでいく。


すると頭の中に「見知らぬ声」が聞こえてきて、

前世の記憶そのままに、

魔王の支配するファンタジーな「異世界」へと転生する。


生まれ持っている能力は「チート」だ。

その反則的に強い能力を発揮して、

世界を平和へと導く勇者になる。


こんな筋書きのものが多い。


この手の作品のすごいところは、

「死」に対する恐怖を緩和すると同時に、

「満たされない今」を何の努力もしないで乗り越えられるという、

「希望」を描いているところだ。


「報われたい」けれど「努力したくない」

なんとなく生きていて、

なんとなく幸せな人生を歩みたい。

 

現実的にはそんなことはありえないけれど、

死ぬとそれが叶ってしまうという「希望」

 

大昔に「極楽浄土」が流行った理由と同じだろう。


人の潜在的な欲求に対して、

ダイレクトに訴えかけてくる構造、

確かによくできている。


かく言う私もその魅力に惹きつけられている。

『このすば』『リゼロ』『転スラ』など一通り見た。


『リゼロ』は少し異色だけれども、

異世界転生もの」は大抵生まれ変わってから、

セカンドライフ的に充実した生活を送る。


この世界に不満を持っている人、

そっちのほうが多数派なのだろう。


「努力」は報われないことの方が多いし、

「努力」すること自体が馬鹿らしくなる。


バブル期とは違って、

景気の見通しは明るいとは言い難いし、

若者は物心ついた時から情報の波に揺られて、

現実を突きつけられて育ってきたのだ。


「子供が子供のままではいられない時代」


私のように頭の中お花畑にして、

「純愛主義」なるものを掲げたところで、

どこかで挫折して現実と向き合うことになる。


「現実」「現実」「現実」


「現実」ばかり突きつけられて、

それに疲れているのが現代人だ。


だから「異世界


今いる世界とは違う場所に、

「希望」を見出そうとするのかな。


誰もが心のどこかで、

「今とは違う人生を歩みたい」

そしてそれは「今よりも恵まれているはずだ」

そう思って生きている。


過去を邂逅したらキリがない。


「今だったらもっとうまくやれるのに」って、

そう思うことばかりだ。


だけれども、

「その時の自分」にはできなかった。


だから後悔を乗り越えて、

「今の自分」がある。


過去にばかり縛られていないでさ。

不確かな来世にばかり思いを馳せていないでさ。

「今を生きる」ことが大事なんじゃないのかな。


だから私は「今を生きる」ために、

異世界転生もの」を見るとしよう。


チート能力を持っていて、

簡単に世界の英雄になれて、

エルフやらサキュバスやら、

そんな魅惑の存在からモテモテで、


おやっさん

最高じゃないですか!


異世界転生もの」

本当によくできたジャンルだ。