前にも記事にしたけれど、
去年の自粛期間からテレワークが増えたものだから、
生活の効率化を進めた結果、
独身で相手もいない私は時間を持て余すようになった。
更に休日は人と会う機会が極端に減ったものだから、
空いた時間を埋めるために、
Amazonプライムで映画やアニメを漁りだしたり、
友人に誘われて「ソシャゲ」を始めたりもした。
「ソシャゲ」
いわゆるソーシャルゲームのこと、
みんなが電車なんかでスマホ片手にピコピコやっているあれだ。
空き時間を活用して、
スマホで手軽に人生が進んでいる感覚を得られる、
そして大抵の場合、
その努力が報われるという素晴らしいツールだ。
結果として、
「リアル」よりも「ゲーム」に存在価値を委ねて、
際限なく課金したり時間を費やして、
バーチャル空間に自分の「居場所」を見出す。
そんな依存性の高いものでもある。
随分と前から社会問題の一つとして取り扱われている。
「リアル」は報われない努力ばかりだから、
「ゲーム」に時間とお金をかけて報われたいと願う。
だから大抵のソシャゲは努力は報われるシステムになっている。
コツコツ貯めた無料のアイテムでガチャを引き、
たまに「人権キャラ」と言われる、
持っていないとまともにゲームを進められないようなキャラを引いては、
脳内物質をドバドバと分泌して悦に浸る。
おそらく「その瞬間」のために努力しているのだ。
そうやって「射幸心」を煽ることで、
「中毒症状」を生み出して課金させていくという、
良くできたビジネスモデルだ。
今ではゲーム専用機の市場を凌駕して、
大手会社も当たり前のように参戦している。
それを原資にプロ野球球団を持つ会社まで現れるという、
いわば「ドル箱産業」だ。
多分に漏れず、
私も「リアル」が全く進まないものだから、
課金はしていないけれど、
徐々に「ソシャゲ」に「時間」を費やすようになる。
そしていつしか、
「楽しむ」ために始めたはずなのに、
「追い立てられる」ように続けている。
どこかで目にした記事によると、
適度に「課金」する人よりも、
「無課金」にこだわる人のほうが依存性が高いらしい。
私はケチなものだから、
無料で楽しめるゲームに課金しようとは思わない。
だから時間をかけることでギャップを埋めようとしている。
その結果として、
客観的に見たらお金をかけるよりも、
随分とコスパの悪いことをしているのかもしれない。
私がしている「ソシャゲ」は、
大手ゲーム会社の有名ブランド、
ランキングでも上位に来るようなものだ。
私は「ソシャゲ」を何度か辞めたり始めたりしている。
大抵は仕事が忙しくなったり、
生活サイクルの変化に伴い継続困難となるか、
ゲーム要素が複雑になったり、課金必須の状況になったり、
ゲーム環境の変化についていけなくなり辞めている。
今回のゲームは1年くらい続けている。
今の地位を保つには課金必須に近い状況になってきたものだから、
そろそろ嫌気がさしてはいるのだけれども、
今のところは機械のように毎日ピコピコと続けている。
時間はそれなりにかけたし、
ガチャの引きも悪くなかったものだから、
「無課金の割には」かなりいい線行っている。
十分に重課金者の射幸心を煽るための養分にはなるくらいだ。
私はお金にシビアだから、
この先のステージに進んだことはないけれど、
人によっては月に何十万も課金するらしい。
本当によくできたビジネスモデルだ。
お金は余っているところにはたくさん余っていて、
そういう人ほど優越感に浸るのが好きなのだ。
競争を勝ち抜いてきたからこそ、
競争に対してポジティブな印象を持っているお金持ち、
その闘争心を駆り立てることで集金する。
ある意味では「お金」と「時間」を投資して、
その「優越感」を獲得するための戦場、
そこに自分の存在価値を委ねてしまうと、
なかなか抜け出すことができなくなってしまう。
私にしたところで、
「無課金」という属性を盾にして、
「時間」を費やして「よくやっている」と悦に浸る。
「お金」はかけなくても、
「時間」はたくさんかけている。
「Time is Money」
損をしていないように思っているけれど、
嫌気がさしながらゲームをしていること自体、
おそらく損をしているのだ。
少し深く足を踏み入れすぎているのかもしれないな。
ゲームやアニメに漫画、
どんどん費やす時間が増えてインドアになっている。
社会的には褒められた休日の過ごし方なのだろうけれど、
かつては休日に予定のない日の方が珍しかった私、
どんどん人との接点は減っていき、
どんどん婚期を逃していく。
大丈夫か?わたし、
日課のようにピコピコとゲームをして、
朝のノルマを終えたあたりでふと我に返ると、
大きな虚しさを感じてしまう。
何度も書くけれど、
とてもよくできたビジネスモデルだ。
リアルは何も進んでいなくても、
ゲームの中では強くなっていく。
これは「こっち」に軸足を置いて生きる人が出てくるわけだ。
望む将来があるのならば、
「ソシャゲ」との付き合い方を考えなければならないな。