「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

人一人の存在を消し去る方法

f:id:tureture30:20210402061647j:image

 

ほら、あそこにいる「嫌いなあいつ」

あれはきっと幻か何か。

あいつがぼくの近くにいるはずなんてないのだから、


さんざんひどいことをして、

さんざんぼくを傷つけて、

そんな「あいつ」がこんな近くにいるはずなんてない。


だからぼくは「あいつ」の存在を認めない。


「あいつ」と話している時だって、

「人形」か何かと話しているんだって思い込んで、


「あいつ」と肌が触れた時だって、

「あいつ」に血が通っているはずがない。

その熱は気のせいなんだって思い込んで、


ぼくは「あいつ」の存在を認めない。


表向きは「何でもない」ように接しているけれど、

本人同士はわかっているのだ。


それだけで十分だ。


ぼくは「あいつ」の存在を認めない。

そして「あいつ」もそれに気が付いている。


それ以上、何かをする必要があるのかい?


誰かを味方につけたり、

あからさまに攻撃的な態度を取ったり、

悪口を言いふらしたり、


そんなことをする必要があるのかい?


「あいつ」はそういうことをしてきても、

ぼくはそのことを気にしない。


だって「あいつ」は存在しないのだから、

こんな嫌がらせだってきっとすべて幻なんだ。


だって「あいつ」は存在しないのだから、


この苦しみだってきっと幻だ。

ぼくだって、もうすぐここには存在しなくなるのだから、