「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

「当たり前のように見えていた景色」が全く違って見える

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転職することを決めてから、ノルタルジーに浸ることが増えた。


私がこれまで手がけてきた仕事を振り返ってみると、「我ながらなかなか面白いことをしてきたものだな」と感心するし、イライラの絶えなかった通勤時間ですらどこか愛おしく感じるのだ。


職場に対しても同じ、

もうこの景色の中に身を置くのも限られた期間しかなく、この仲間と一緒に仕事をするのも終わりが近づいている。

そう考えると感慨深いものがある。


「大きな停滞間」を拭うことができずに一歩踏み出すことを決めたけれど、足元が揺らいで初めて実感する。


「私は確かに生きてきたんだな」ってことを、


あいみょん『生きていたんだよな』 

tureture30.hatenadiary.jp

 

自死を肯定するわけではないけれど否定もしない。

精一杯生きてきた結果の選択肢、

もがき苦しんできたからこそ、振り返るとそこにはなんとも言えないノスタルジーがある。


そこを抜け出すまではそのことに気がつくことはできないのだ。

それは足を引っ張るほどの魔力を持ち、先に進もうとする決心を揺るがす。


だけれども、それはシューベルトの『魔王』にも似た囁き、

一度決めたことを覆すことはもう出来ないのだ。


人は過去を美化したがる。

自分の歩みを無価値に思うことほど辛いことはないから、

だから必死に理由をつけて過去を肯定しようとする。

それを新天地に対する不安が助けて、合理的な判断をにぶらせるのだ。


私は先に進む。

過去に感謝しながら、先に進むのだ。


私の歩む道の後ろには、私の過去が繋がっている。

仕事よりも別のところで辛くて苦しいことばかりだった期間だった。


クソ女が環境を地獄に変えて、常にストレスを感じながら働いていたし、精神的にも身体的にも一度ずつ死にかけた。

女性との出会いを繰り返しては先に進むことはなく、心は疲弊する一方だった。


取り憑かれたように毎日ブログを更新し続けて、もう少しで3年となる。


この3年間、本当にもがき苦しんだ期間だった。

嫌というほど自分と向き合い続けてきた。


私はようやく解放されるのかな。

ここから先はさらに険しい道なのかもしれないけれど、それでも私はこれまで縛られていた何かから解放されるのかもしれない。


つい3ヶ月ほど前までは、婚活よりも先に就活で先に進むとは考えてもいなかった。

だけれども、結婚を先にしていたら間違いなく転職は考えなかっただろう。


これが私の人生の順番だったのかもしれない。


まだしばらくはノスタルジーに浸りながら、余韻を噛み締めて「生」を実感することにしよう。


そう何度も経験できるものではないのだから、じっくりと味わいながら大事に過ごしたい。

 

私は今の職場が好きだ。

心からそう思える。

それって本当にありがたいこと、