最近の漫画を読んでいると、
テーマ設定が複雑なものばかりだ。
少し前は『ゴールデンカムイ』
最近読んでいたのは『僕のヒーローアカデミア』
特に「ヒロアカ」には途中から萎えた。
始めのほうは王道でとても良かったのに、
誰もが「個性」と呼ばれる特殊能力をもって生まれる時代、
世界はその特殊能力を使って戦う「ヒーロー」で溢れかえっている。
誰もが「ヒーロー」に憧れる。
「無個性」として生まれるが、心は誰よりも「ヒーロー」という主人公、
彼はその姿勢を見込まれて世界一のヒーローから「個性」を受け継ぐことになる。
そこからの「成長」を軸に物語を進めていくという流れは王道のバトル漫画、
最終章に突入した最近になって読みだしたのだけれども、
途中から「敵にも苦しみがあって世界を壊したい理由がある」だなんて展開に時間を割くようになった。
私にとってはそれが萎えた。
こういうのはおそらく作家というより編集さんのやり口なのだろう。
作品に哲学を持たせようとするきらいのある印象だ。
企業の採用だから偏りが出るのは当然なのかもしれない。
一周回って同じような人材ばかりが集まるようになるのだろうか。
『チェンソーマン』とか『進撃の巨人』なんかはそれでいいと思うけど、
「ヒロアカ」にそれは必要だったのかなと感じる。
これはこれでわかりやすくキャラ物の「バトル漫画」でよかったんじゃないかな。
とても個性的で魅力的なキャラクター達、
随分とたくさんのキャラが登場しているけれど、
伏線を全く回収できていない。
どうやらそのままストーリーは終わってしまいそうだ。
「敵の理屈」なんかに尺を割くのだったら、
そのキャラクター達の「ヒーロー」としての見せ場を多く作ったほうがよかったと私は感じる。
どういう経緯でこうなったのかはわからないけれど、
これが作者の意図ではないのであれば、
私から見れば編集は「いい仕事」をしていない。
なんだかさ。
こんなブログを書いている私が主張するのもなんだけど、
変に「小難しい作品」ばかりが増えている気がする。
「この作品の魅力はそこなの?」って、
妙に芸術性や哲学を主張しだす作品が多い。
バトル漫画の原点ともいうべき『ドラゴンボール』なんか、
全くそういう感じじゃなかったのにね。
とにかく「強くなって、さらに強い敵が出てきて、力を合わせて倒す」みたいな、
そういうわかりやすいバトル漫画ってもうほとんど存在しないのかな。
『刃牙』なんかはそんな感じで続いているはずだ。
一周回ってそういう王道の作品を読みたいと感じる自分がいる。
なんかさ。
漫画まで強くメッセージを訴えてくるようだと疲れてしまうよ。
最近のバトル漫画はどれを読んでもおなか一杯になってくるのは私だけだろうか。
ヒロアカにはそれを求めていた。
だけれども途中で「うーん」と思ってしまった。
渡りやすくてスカッとするようなバトル漫画、
ジャンプ+の『怪獣8号』は今のところそんな王道に乗っかっていると思う。
これもどこかで変わってしまうのだろうか。
トレンドというものは巡り巡るもの、
そろそろ「わかりやすい作品」をが求められる時代になるのかもしれない。
デフォルトモードネットワークやら、マインドフルネスやら、
頭空っぽにしたい。
現代人は娯楽にそういうものを求めているのだ。