「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

「サービスの適正価格」がわからない時代

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今や世の中には無償で得られる情報が溢れている。

 

ドラマ『SUPER RICH』

主人公の新卒で就活中の貧乏専門学校生、

何でもこなす彼の「生活の知恵」

その源はネットで配信されている動画だという。

 

今の若い世代にはそういう人が多いのではないだろうか。

 

誰でも手軽に情報を得ることができる。

そこから得た知恵を生活に活かすことができる。

こんなにコスパの良いものはない。

 

だからみんながそれを当たり前のように利用して、

当たりまえのように享受できると錯覚するようになる。

 

オンライン上は代替可能な情報で溢れかえり、

「サービスの適正価格」がわからない時代に突入しているのだ。

 

何度か同じような記事を書いているけれども、

上を目指せばキリがない。

世界との距離は近くなったものだから、

世界トップクラスの情報に容易に触れることができる。

 

それは若者にとって「ありがたい」一方で残酷だったりもする。

差を痛感して心が折れてしまうことにもなりかねないのだ。

 

子供の頃は誰もが大きな夢を掲げる。

「社長になりたい」「ピアニストになりたい」「プロ野球選手になりたい」

だけれども、どこかでその分野で自分よりも優れた存在にぶち当たることで、それを口にしなくなっていく。

 

今や、子供の頃から現実を突きつけられるのだ。

もちろんそれを糧にして全体のレベルが底上げされるというメリットもあるけれど、「夢を口にしなくなる年齢が早くなる」そういう子供も少なくはないだろう。

 

話を戻そう。

「サービスの適正価格」

 

もしかしたら、それはものすごくフレキシブルになっているのかもしれない。

 

時価であり言い値、

CtoCでサービスを売り買いする仕組みなんかも幅を利かせてきたけれど、決まった値段はあってないようなもの、

そこでの交渉は当たり前なのだ。

 

だから双方が納得する形であれば問題ない。

そういう世の中へと向かっているのかもしれない。

 

「損をした」「得をした」

それ自体が価値を持ってしまって、そこにアドレナリンを分泌させて、物それ自体の価値よりも「損をしないこと」「得をすること」が目的になっていく。

 

競取りを繰り返して資産を増やしていく。

そういうことが推奨される時代なのだ。

 

人は人のことを二次元で認識するようになり、何処かシステムの一部だと思い込む。

画面の向こう側にいる相手は、自分と同じ生身の人間だということを忘れてしまう。

 

現実が拡張されすぎて、リアリティは失われて概念ばかりが肥大化していく。

 

そんな世の中で、我々はどのように価値を決めていけばいいのだろうか。

何度論じても結論は同じになるけれど、

やはり「自己責任」なのだ。

 

価値観が個人に委ねられる時代、

 

「種の保存」という観点からは望ましいことなのかもしれないけれど、肥大化した自意識に苦しむことの多い時代だ。

 

個人の価値観に寛容である一方で、どこか無言の圧力を向けられ続けている。

それを察して、ちょうど良いところでバランスを取り続けることが「生きる知恵」

 

なんだか疲れてしまう世の中だ。

 

「自由」はどんどん広がっていく。

個人の手に委ねられていく。

みんな、その「自由」を持て余している。

だから「適正」という概念は曖昧になっていく。

 

そういうことなのかな。