「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

散り行く桜

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散り行く桜にも風情はある。

 

舞い上がる花びらの中を颯爽と駆けると、

なんとも幻想的な雰囲気に包まれるのだ。

 

先日、未就学の姪が、

嬉しそうに「これあげる」と、

握っていた手のひらを解く。

 

すると、

その小さな手のひらの上には、

3枚の小さな花びらがあった。

 

「ありがとう」と受け取る私を見て、

姪は嬉しそうにしながら、

また新たな宝物を探しに出掛けていく。

 

「全てが輝いて見える」

 

きっと彼女にとっては、

世界の全てが眩しく映るのだろう。

 

その彼女の姿勢に感化されたからだろうか。

私は「散り行く桜」さえも美しいと感じた。

 

世界には美しいものが溢れている。

それを「美しい」と思えないのであれば、

曇ってしまったのは私の目。

 

かつては、あんなにも輝いて見えたものたちが、

色を失っていく。

 

人は経験することで、

「大きなもの」を得ると同時に、

「小さくないもの」を失うのかもしれない。

 

私の目の前に現れたものたちを、

私はどれだけ愛おしく思えるのだろうか。

 

その気持ちが、これから先の人生を豊かにしていくのだと、漠然とした確信がある。

 

結局のところ、

幸も不幸も自分の心一つなのだ。

 

どこかで心を動かすことをやめてしまう。

 

傷つくことを恐れて、

自己防衛本能ばかりが発達していく。

 

そのうちに人は、

動かなくても生きていけるシステムを、

自らの心の中に作り上げて、

心を動かすことを厭うようになる。

 

手足が動くうちに、

ガムシャラに、その手足を動かして、

心に熱を伝えるしかないのだ。

 

固く冷たく閉ざされた。

そんな世界に包まれて、

ただ漫然と時を過ごしながら生きるのは嫌だ。

 

私は心を動かしながら生きたい。

例え、傷つくことばかりだとしても、

私は、私らしく生きたいのだ。

 

どのような状況になったとしても、

人の心に響く姿を見せることはできるのだ。

 

散りゆく桜を見て、

そう感じた。