「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

距離が縮まった瞬間

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私はいつから、こんなにも女性を喜ばせることのできる男になったのだろう。

 

とにかく誠実にまっすぐに、嘘偽りない気持ちを伝えること。

私にできることはそれだけしかないのだ。

 

私のその態度は、相手によっては「重い」と受け取られる。

 

だけれども私の彼女は、その「重い愛情」を全身で受け止めてくれるのだ。

それどころか、同じかそれ以上の重さで愛情をぶつけ返してくれる。

 

私の健康ばかりを気遣い、私のことを応援してくれる。

「なんて素敵な女性なのだろう」と心から思う。

 

明確に距離が縮まった出来事。

 

彼女が「弱さ」を曝け出してくれた。

今までも、たびたびそういうことはあったけれど、

今回の「弱さ」はおそらく、彼女の人間性の本質に関わるもの。

 

私はそれをしっかりと受け止めた。

 

それを機に、2人の関係性は劇的に変わった。

お互いが、お互いと共に過ごす未来を想像していることを、確かに確認した。

 

私と彼女の間に存在した心のアクリル板。

それが粉々に砕け散る音が聞こえた。

 

もはや、密になろうが関係ない。

私は彼女の心と体を全身全霊を持って受け止めたいと思っている。

 

触れ合う体。

繋いだ手。

 

交わす言葉が途端に大きな意味を持つようになる。

お互いがお互いとの未来を意識していることを、言葉の端々から実感するのだ。

 

気持ちが繋がった。

 

2人で写真を撮った直後、

「いつまでも優しいますをくんでいてね」と、

彼女はそう呟いた。

 

その一言からは、

「いつまでも一緒にいたい」という気持ちが伝わってきた。

 

私は答えた。

「優しいだけが取り柄だから、そこは安心して」と、

 

話は具体的な話題に及ぶ。

「考えなければならないことがたくさんできたね。

次に会う時までにお互いしっかりと考えよう」

そう誓い合って、その日は手を振り別れた。

 

もはや、お互いのこと、家族のことを包み隠さずに語り合った私たち。

弱さや過去、人生観、これから先にどう生きていきたいか。

 

進んでいないように思えていても、確かに未来に向けての歩みを進めていたのだ。

 

初めて意識的に彼女の体に触れた。

きちんと、将来のことを確認してからだ。

タイミングとしては、ちょうど良かったのかもしれない。

 

彼女は前に「男の人が苦手」とそう話していた。

嫌な思いをしたことがあるようだ。

だから、私のこと慎重な姿勢は、彼女の歩幅に合っていたようだ。

 

ようやく、お互いを異性として「好きだ」と伝え合えるところまできた。

少しずつ階段を登っている。

 

見上げると果てしない数の段が待ち受けている。

私たちはこれから、長い時間をかけて、それを一段一段登って行くのだろう。

 

臨むところだ。