「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

『ONE PIECE FILM RED』を見た

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彼女との映画の約束があって、何を見るかと相談しているときに、

不思議と『RED』が見たいと口をついて出た。

 

これまでは、あまりONE PIECEの映画を観る機会はなかったのだが、

あまりにも過剰に宣伝しているものだから、

私もほだされてしまったのだろう。

 

本編が最終章へと突入し、大いに盛り上がっている中での劇場版。

メディアのいたるところで踊る『ONE PIECE』の文字。

過去最大級の宣伝ではなかろうか。

 

館内は夏休みのちびっこで溢れていた。

ONE PIECEは、私が小学生か中学生のころに連載を開始したことを考えるとすごいことだ。

未だにちびっ子たちの心を射止めているということ。

さすが漫画界の覇者である。

 

公式からも通達があったため、

ネタバレは控えるけれども、

ここからは私の感想を少々述べてみる。

 

結論としては、事前に確認したレビューに反して、

「良い作品だ」と感じた。

 

「Ado」扮するウタが初めから全開で歌いまくる。

この点が、おそらくONEPIECEの映画を見るつもりで来た人からすれば萎えてしまうのだろう。

 

作品の半分ほどは、主役であるはずの「麦わらの一味」が完全に脇役扱いだった。

熱心なファンからすれば受け入れがたいのも無理はない。

 

舞台設定もワノ国の後のはずだが、ビッグマムが健在だったりと、

パラレルワールド的なところがある。

 

緻密に計算されつくして伏線をちりばめる本編。

それを考察をしながら楽しむ「ガチ勢」からしたら、この辺りも受け入れがたいのだろう。

 

しかし、ある種のセルフオマージュ作品だと思ってみれば、

映像作品としては悪くない出来だった。

 

今流行りのライブ感を前面に押し出したミュージカルアニメ、

劇中には7つの曲を挿入していたようだが、一つ一つの曲としての完成度は高かった。

演出は若干リアリティがなく滑稽なところがあったけれども、

そのあたりはONEPIECEの世界観とマッチしている。

 

本編との接点にしても、思い起こしてみると少なからず今後に通じる点があった。

最終章で間違いなく物語のカギを握るであろう赤髪海賊団。

 

彼らの個性や戦闘、立場を明確に描いたことは大きな要素だ。

本編の考察で「シャンクスの狙い」について取りざたされることがあったけれど、

この映画によって「シャンクスのルフィに対する立場」は、ほぼ確定したと言えるだろう。

 

歌の迫力も去ることながら、本編につながる見どころも少なくなかった。

マキノの抱える子供や、ゴッドバレー事件でのロジャーの戦利品、コビーの活躍に、シャンクスの覇気の強さ、

随所で伏線をちりばめていたように思う。

 

これだけ大きな作品となると、

「ジャンプで最新話を追っている勢」だけでなく、

「コミックスしか読んでいない勢」がいたり、

はたまた「アニメしか見ていない勢」まで存在する。

 

そのすべてに状況が伝わる程度と考えると、いい塩梅に仕上げたことになるのだろう。

 

ストーリーや設定に粗さは目立つため、手放しで称賛できる作品かといわれると難しいが、私は単純に楽しむことができた。

そんなポジティブな感想だ。

 

しかし、私もコミックスを全巻持っており、ジャンプ最新話まで追っていて、

考察動画を少し見る程度にはファンだから、ONEPIECEガチ勢の落胆も理解できる。

 

映画はあくまでも興行的な要素が強く、裾野を広く作る必要がある。

ガチ勢の期待は、尾田先生が本編のほうで存分に満たしてくれるはずだ。

 

この作品は、本編とは全く別のONEPIECEだ。

私はそう思って楽しむことができた。

 

 

Ado『新時代』

youtu.be

オープニングのこの曲かっこいい。

Adoの歌唱力とPerfumeを手がけた中田ヤスタカさんの作詞、作曲。

映画の世界観とマッチしている。