
松山ケンイチ、長澤まさみ主演で、2023年に公開された映画だ。
原作は同名の小説。
公開当時、少し話題になった記憶はあるが、あまり印象には残っていなかった。
知人の勧めで縁を感じて、例の如くAmazonプライムで視聴した。
とても考えさせられる映画だった。
とりあつかうテーマが、現代社会のの抱える根本的な課題を描いていること。
そして、演技が圧巻だった。
松山ケンイチさん演じる介護士と、長澤まさみさん演じる検事、対峙するシーンは鳥肌ものだった。
そして、松山ケンイチさん演じる介護士の父親役だった柄本明さん、とんでもない存在感の演技だった。
「人として生きること」
人としての生き方と、動物としての生き方。
その境目はどこにあるのだろうか。
綺麗事では済まされない。
認知症が進み、自らの意思を示せなくなってから、家族や周りの人たちの世話になりながら、時には迷惑をかけながらも命を繋ぐこと。
果たしてそれは「人として生きていると言える」のか。
そんな「答えのない問い」を、痛烈に社会に投げかけた作品だ。
「命は尊い」
そんなことは当たり前だ。
いかなる立場の人も、いかなる立場の人の命を奪ってはならない。
社会で生きる限り、それは鉄の掟である。
ところが、相手が自らの命を断つことを望んでいる場合、それはとても難しい話になる。
そして、その意思を曖昧にしか示すことができないとなると、さらに難儀となるのだ。
当人同士にしかわからない複雑な感情。
家族としての絆。
そういう曖昧な言葉でしか表現することのできない価格な現実は確かに存在する。
それと向き合って、向き合って、向き合いすぎて心をすり減らして、介護する側もされる側も共倒れしてしまう。
そういうこともある。
正解なんてものはない。
ただ、それでも人が人の命を断つことは許されない。
過酷な現実という名のヤイバを喉元に突きつけられたかのような、とても鋭い作品だ。
誰にでも起こりうる、家族の介護という問題。
映画の内容について記事では触れない。
興味があれば、皆様の目で確かめてほしい。