「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

高熱が出た

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ここしばらくは、私たち夫婦で自然と「セルフ感謝祭」をしようという雰囲気になっている。

何もいやらしい意味ではない。

頑張っている自分たちへのご褒美として、月末には少しリッチなイベントを計画することにしているのだ。

 

7月は旅行に行き、8月はバイキング形式のホテルランチ。

そして9月末は再び旅行、10月末はディズニーランドと、タガが外れてしまったかのように、私たちは毎月ご褒美イベントを織り込んでいたのだ。

子供が3歳になるまでは、どこに行っても大体無料でイベントに同席できる。

そんな計算もあったから、今がお得な時期という狙いもあった。

 

ところが、まだまだ通って1年に満たない保育園の洗礼はそんなに甘いものではない。

月の半分以上は子供も親も体調を崩している状況だ。

そんな中でイベントを詰め込むとはなんとリスキーな行いに興じているのだろう。

案の定、9月の旅行を間近に控えた今、家族全員が高熱でダウンした。

 

すでにキャンセルはできない。

私は流石に諦めて家で養生するべきだと考えているが、妻はまだ諦めていない。

とりあえず今日病院に行って、感染症ではなかったので、熱が下がればまだいけると考えているのだ。

 

「調子に乗りすぎた」

今はどんなに気をつけても子供から病気をうつされることは避けられない。

私は家でもマスクをして、子供に触れるたびに石鹸で手を洗っていたが、それでもうつされる。

いろんなところをベタベタと触って、咳や唾を直接吐きかけてくる。

 

まさに怪獣なのだ。

それを制御する術などない。

私たちは体力と気力を奪われて、最後は子供の思うがままに任せるしかなくなるのだ。

 

このバイタリティはどこから来るのだろう。

人間はそもそも、これだけのバイタリティを持ってこの世に生まれてくるのだ。

歳をとるにつれて先が想像できるようになる。

だからコスパの悪い行動を選択肢から除外して、決まった選択ばかりをするようになる。

 

やがてそれは、ある意味ではその人のアイデンティティのような形に落ち着くのだろうか。

 

子供のバイタリティに絆されて、自分たちも無尽蔵に動き続けることができると錯覚した結果が今の私だ。

さて、私たちは旅行に足を踏み出すのだろうか。

それとも、安静に過ごすことを選ぶのだろうか。

 

どちらが賢明なのかは考えるまでもない。

しかし、私たち夫婦のアイデンティティは異なるのだ。

妻は楽観、私は悲観、何をするにしてもその傾向が顔を出す。

今のところ私たちは、同じ選択肢を選ぶ方向には向いていない。

 

さて、どうなるのだろう。

当日になるまでわからない。