
あらゆる種類のハラスメントが溢れている世界。
ハラスメントには当たらないが、その予備軍ともいうべきグレーゾーンの振る舞い。
それが「職場無作法」だ。
例えば、「常に不機嫌で話しかけにくい」とか、「服装や身だしなみが整っておらず周りに不快感を与える」とか、「言動は適切だが見下したような態度で相手に接する」などがこれにあたる。
この「職場無作法」を撲滅しようという雰囲気が今の私の職場では漂っている。
きっかけは代表者の提案だ。
そこからトップダウンで全従業員を対象に講習会参加を義務付けるなど精力的に対応している。
確かに度を超えた迷惑行為は撲滅するべきであろう。
しかし、ハラスメントに気を使いすぎるあまり、ハラスメントに繋がりかねない行為まで撲滅するのはやりすぎではないだろうか。
「扱いにくい人」「関わりたくない人」
確かにそういう人は職場にいる。
だけれども、それはその人が培ってきた個性であって、会社から指示されたからといって変わるものではない。
逆にハラスメント予備軍に接した人たちは、鬼の首でも取ったかのように些細なことでも告発する。
そして、それに対して会社は真摯に向き合わなければならない。
そう法律で決められているのだ。
「関わりたくない人とはなるべく関わらない」
それでいいではないか。
ところが今度は対応に差をつけることもハラスメントだという。
だから、関わらなければうまくいっていたのに、そういうわけにもいかなくなり拗れる。
ルールで縛りつけすぎるあまり、人との触れ合い方が不自然な方向に進んでいるんじゃないかな。
今の状況を見て、私には一つの言葉が浮かんだ。
「バカに刃物」
適切な使い方をすれば便利に扱うことのできる刃物だが、愚かなものがこれを扱うと危険物に変貌する。
要は、愚か者に刃物を与えてはいけませんよ、ということだ。
ハラスメントを行う側に問題があるケースも確かにある。
しかし、これだけハラスメント防止を声高にさせんでいるところで意図してハラスメントを行うことは、ほとんどなくなっている。
逆に、被害者(だと主張する)側のモラルが適切である前提で制度設計を行なっても良いのだろうか。
ある程度のグレーゾーンは必要だと私は考える。
そのグレーゾーンの存在によってうまく行っていたということは大いにあるはずだ。
することに事欠いて、どんどんルールばかりを付け足していく。
ルールを付け足すことで組織が良くなると信じている人たちがいる。
だからおかしなことになる。
成果を報告するために成果を上げる。
現実的に組織の居心地が良くなるだとか、従業員がモチベーション高く働くことができるとかは二の次なのだ。
組織ってものは難しい。