「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

見える景色が変わる

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しばらく日常から離れて遠出していたものだから、

なんだか、日常に戻ってからの違和感が強い。

 

戻ってきたら、家に妻がいる。

それは初めての経験だった。

私の生活は、前とは変わったのだと改めて感じる。

 

非日常を通して、日常のありがたさを感じるというエピソードはありきたりだけれども、

私の場合は、非日常を通して、日常の変化を実感した。

 

少しばかり、新しい生活に疲れていたのかもしれない。

しかし、非日常から戻ったところが、私の日常なのだと感じることで、私は今の日常を受け入れることができたのだろうか。

 

変化に次ぐ変化。

私の生活は、落ち着くことなく動き続けている。

家の方が落ち着くかと思ったら、急に遠出の機会が増えた。

私の生活が落ち着くのは、いつの日になるのだろうか。

もはや、私の人生は、落ち着く暇がないのではないかと思うほどだ。

 

平均的な年齢での結婚からは少し遅れた。

その分、今はそれに追いつくように駆けずり回っているのだろう。

私のモラトリアムは終わった。

ゆっくりと流れていた時は、加速していく一方だ。

 

「見える景色」

 

あまりに見える景色に変化がありすぎて、

私には変わりゆく景色を楽しむ余裕さえない。

気がついたら、随分と歳をとっていて、浦島太郎のようになっているのかもしれない。

 

しかし、それが正しい時間の使い方なのかもしれない。

目に見える資産。目に見えない資産。

私は人生を通して、それらを積み上げていかなければならない。

 

まだまだ先のある人生だ。

少しばかり余裕を持って、やるべきことを着実にこなしていこう。

着実に、コツコツと。その繰り返しなのだ。

人生というものはきっと、その繰り返しでできているのだ。

 

目の前のことに精一杯で気が付かなかったけれど、

気がつくと、見える景色は大きく変わっている。

たまには、顔を上げて周りを眺めてみるのも悪くはない。