私がこれまで生きてきて、
明確に「付き合って欲しい」って、
気持ちを伝えた回数は4回だ。
一度目は二十歳の頃の初恋の人、
二度目は元カノ、
三度目は前の職場の同期、
四度目は去年の夏だ。
二度目以降はデートを重ねた上の試み、
十分な勝算があった。
アプリを除いて、
デートをした相手を加えると、
10人くらいだろうか。
決して少なくないように思う。
女性と日常的に接する分には問題ないし、
普通に生活していても年に一人か二人からは、
アプローチらしきものを受けるから、
自分で言うのもなんだが、
私はモテなくはないのだろう。
だけれども、
関係を進めるとなると、
ほとんどうまくいかないのだ。
「決め手に欠ける」
側から見ると優しくて真面目で話しやすい。
だけれども二人で時を過ごしてみると物足りない。
そんな男なのだろう。
少し前までの私の心の支え、
「自分にとっての世界で一番素敵な女性と結ばれるために、
こんなにも奇跡的に恋愛がうまくいかないのだ」
今思えば噴飯物だ。
私は女性というものを神聖視して、
女神様か何かと勘違いして、
救いを与えられるのを待っていたのかな。
女性だって生身の人間、
人を自分の不安を解消するための道具にする、
そんなゴミ屑女もいれば、
この時期に職場で飲み会を企画する、
頭空っぽのバカ女もいれば、
二股かけた末にどちらともうまくいかなくて、
居場所がなくなる救いようもない動物みたいな衝動的女もいる。
全て同一人物なのだけれど、
これから先、
私がどうしようもなく好きになる女性って、
目の前に現れるのかな。
「とりあえず」
私にはきっとそれができないのだ。
いい加減な気持ちで関係を先に進めることができない。
だからここまでこじらせている。
条件とか容姿ではない。
本能と気持ちに従うことにしよう。
そこから始まることってあるはず、
これから進む私の道のりには、
隣に並んで手を取りながらいっしょに進む相手って、
存在するのかな。
「奇跡的にうまくいかないことばかり」
だけれども必然なのかもしれない。
私の心がたまらなく女性を求めていないのかもしれないな。
「とりあえず」
それが伝わってしまったら、
相手は身を引くのは当たり前、
きっと恋愛に対する私の熱量が足りないのだ。
「なんで結婚したいの?」
そろそろお年頃だから、
経験を積みたいから、
周りがどんどん行ってしまうから、
そこら辺に転がっている婚活女と変わらないな。
「相手」ありきではなく自分本意だ。
たまらなく好きな相手ができて、
そのままの関係ではいられないから、
付き合って結婚したい。
そうでなければ本末転倒、
どうやら私は「結婚したい病」に罹っていたようだ。