映像作品評

映画『聲の形』に見る、「救われるため」の身勝手さ

人生のある一面だけを切り取って、 あたかもそれが人生の全てのように賛美する。 私はそういうのが苦手なのだろう。 映画『聲の形』 耳の聞こえない少女と、彼女をいじめていたことを後悔する少年、 時を経て偶然再会する。 少年は人生うまくいっておらず、…

映画『花束みたいな恋をした』を見て「恋愛」の先に「結婚」があることはレアケースだと知る

去年の話題作、 あまり恋愛ものを好んで見るほうではないのだけれども、 GEOの100円セールにほだされて手に取ってしまった。 想像以上にすごい作品だった。 これは「純文学」だ。 「花束みたいな恋」 彩り豊かで全てを兼ね備えたような恋、 そんな表現だろう…

映画『風立ちぬ』に見る、命の使い方

金曜ロードショー、 「3週連続 夏はジブリ」という企画、 毎年恒例の行事だ。 私とジブリ作品、 前にそういう記事を書いた。 tureture30.hatenadiary.jp もちろんリアルタイムではないけれど、 劇場で公開された作品は全て見ている。 私の人生はジブリの世界…

映画『響 HIBIKI』に見る「かく生きるべき」という姿

AmazonPrimeを開いたときに、 「あなたにおすすめの作品」ということで表示されていた作品だ。 『響 HIBIKI』 欅坂46時代のダークなキャラクターから一転、人間らしさを出すようになった平手友梨奈さん、 ハーゲンダッツのCMで見せる笑顔は別人かと思うほど…

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』最終作を見て感じたこと

まず初めに私のエヴァに対する「立ち位置」から書きたい。 私はエヴァ信者ではないが、一時代を築いたアニメ作品としてエヴァを追い続けてきた。 テレビアニメ版はだいぶ後追いで全話を見て、旧劇場版も見た。 新劇場版は最新作を含めてすべてAmazonプライム…

映画『寄生獣』を見て感じたこと

もう10年以上前だろうか。 原作は随分と前に友人の家で読んだ。 面白くて友人宅に行くたびに続きを読んでいた記憶がある。 とても哲学的で衝撃的な作品だ。 頭の片隅に残っていたのだろう。 例によってAmazonプライムを探索していると、 映画版を視聴できる…

映画「マトリックス」の世界観によって「我思う故に我在り」は否定されるのか

1999年に公開された映画『マトリックス』 その映像美と世界観で一世を風靡した作品だ。 続編も大ヒットし『アニマトリックス』というタイトルでアニメ化までした。 「トリニティ頼む!」と叫んだあとのイナバウワーは、 誰もが一度はマネをしては腰を痛めて…

アニメ『炎炎ノ消防隊』壱の章 全24話を見た

去年の話題作、 例のごとくAmazonプライムだ。 ウォッチリストには入れていたけれど、 随分と放置していた。 原作は「週刊少年マガジン」に連載中、 『ソウルイーター』を手掛けた大久保篤氏の作品、 アニメは第二期を終えているらしい。 私が見たのは第一期…

ドラマ「#リモラブ」の檸檬さんについて

波瑠さん演じるお堅い産業医である「草もち」さんと、 松下洸平さん演じる総務部員の「檸檬」さん、 たまたまゲームで知り合って、 毎日のようにチャットをする仲になった二人、 ところが実は同じ会社で働いていた。 文字でしか知らない相手に惹かれながらも…

ドラマ『35歳の少女』〜子供が子供のままではいられない世界〜

25年間のタイムスリップ、 まるで純文学のような、 無垢な主人公から見た社会風刺、 事故にあった10歳の少女、 植物状態となり、 目が覚めると35歳になっていた。 「35歳」という年齢設定が絶妙だ。 ギリギリ、 本当にギリギリ人生に取り返しがつきそうな年…

アニメ『イエスタデイをうたって』全12話を見た

哀愁漂う雰囲気の作品、 四角関係というべきだろうか。 4人の男女の間で揺れる恋心、 例の如くAmazonプライムだ。 あまり思い入れず流して見ていた。 だから記事を書こうとは思っていなかった。 だけれども、 ラストの2話、 その展開があまりにも、 私がされ…

「純愛主義」と「破滅的な愛」について

『君の名は』を境にして、 現代アニメ界における代表的な監督となった新海誠氏、 先日話をしていた女性が、 「『天気の子』を見て泣きました」 そう言っていた。 私の感想は申し訳ないが、 「あれで泣けるのか」というもの、 だいぶ年下の女性、 「ジェネレ…

アニメ『宇宙よりも遠い場所』全13話を見た

評価が高く、 ずっと気になっていた作品、 例の如くAmazonプライムだ。 アニメが原作、 そこからコミカライズされたようだ。 とても丁寧に作り込まれている。 1話からゾワっとした。 演出は凄まじい。 テンポもいい。 全13話もあれば、 いくつかは中身のない…

映画『3月のライオン』前・後編を見た

藤井聡太七段の躍進が話題になっている。 「天才棋士」 そう呼ばれる裏にある苦悩、 そんなものを薄暗くかつ鮮やかに描いている。 そのコントラストは見事だ。 「苦悩を突き抜けて歓喜に至れ」 ベートーヴェンの生涯を表す名言、 そんな印象の作品だった。 …

DVDが出たので2019年No.1の話題作、映画『天気の子』を見た

「あいたたたたー。やってしまったな」 一言で書くならば、そういう感想だ。 新海誠監督の作品は、 自主制作の短編『ほしのこえ』を含めて、 世に出たほとんど全ての作品を見ている。 新海誠監督は間違いなく天才だ。 私はそう思っている。 「映像も構成も演…

アニメ『銀の匙 Silver Spoon』全22話を見た

先日記事にした、 『鋼の錬金術師』を書いた荒川弘さんの作品、 原作は少年サンデーで連載され、 長期の休載を経て昨年末に完結した。 アニメの方は原作の一部のみを描いている。 実写映画化までされている。 テーマは「命の尊さ」 青春の甘酸っぱさと相まっ…

映画史に残る問題作『ファイト・クラブ』を見た

「理想の自分」と「現実の自分」 人生の大半はそのギャップに苦しむ期間だ。 1999年に公開された問題作、 公開当初は決して話題だったわけではない。 DVD化されてから徐々に口コミで広がって熱狂的な支持を得たらしい。 「人生で一番影響を受けた映画」 その…

アニメ『鋼の錬金術師』全64話を見た

ずいぶん前に原作は一通り読んでいるから、 「あー、こんな感じだったか」って思いながらも、 改めてよくできた作品だと感服した。 テーマは「命の使い方」 亡くなった母親を生き返らせるために、 錬金術の禁忌である「人体錬成」を行った兄弟の物語、 結局…

アニメ『ReLIFE』全17話を見た

「異世界系」ばかりを漁っている、 そんな私の視聴履歴を見てか、 Amazonプライムからやたらとオススメされる作品だった。 『リメンバーミー』以来だろうか。 最後のシーンで久々に泣いた。 原作は漫画アプリcomicoで連載されていた、 web漫画とのこと、 中…

アニメ『ケムリクサ』全12話を見た

『けものフレンズ』で有名になった、 たつき監督の作品、 けもフレもリアルタイムでは見ておらず、 Amazonプライムで一気に見た。 この頃は外出自粛、 休日は本当にアニメばかりを見て過ごしている。 私にとって今はそういう時期なのだろう。 『けものフレン…

アニメ版『鬼滅の刃』全26話を見た

休日は引きこもって、 Amazonプライムばかり見ているものだから、 最近はアニメが捗る。 その中でついに話題になっていた『鬼滅の刃』に手を出した。 ジャンプを離れて久しいのであまり知らなかったけれど、 めちゃ人気みたい。 オリコンのコミックス週間売…

荒ぶる季節の乙女どもよ。

ここまで心を揺さぶられた作品は久々だ。 現在、私の求めているもの、 それに直球ど真ん中ストライクなのだろう。 痛みを感じるくらいに、 アニメ版を最後まで見た。 調べてみると原作者は、 「あの花」や「心が叫びたがっているんだ」の岡田麿里さん、 納得…

伊賀の女は他人の痛みにさとく、自分の痛みに鈍感なのです

映画『関ヶ原』で、有村架純さん演じる忍の初芽が語った言葉、 とてもグッときた。 もちろん自分のことも大事にしてほしいのだけれども、 こんなことを言われたら惚れてしまう。 子供がいれば別なのかもしれないが、 女性はなかなか身を挺して何かを守るとい…

浮気相手との間にできた子供を堕ろさせて自分の元に帰ってきてほしいと思うほどどうしようもない気持ちが真実の愛

ドラマ『G線上のあなたと私』 その最初の1話で出てきた言葉、 このドラマ、 私は波瑠さんが苦手なので、 ずっと寝かせておいたけれども、 1話を見てみるとどうやら面白そう。 断っておくと、 波瑠さんが苦手な理由は、 別に容姿がどうとかではない。 ドラマ…

いだてん

今年の大河ドラマ『いだてん』 来年の東京オリンピックを意識しての企画だけれども、 兎にも角にも不人気のようだ。 ラグビーW杯、 スコットランド戦の裏で、 大河ドラマ史上最低の視聴率を更新したらしい。 しかも自身の5.0%を塗り替える3.7%とのこと、 そ…

ドラマ『凪のお暇』

『凪のお暇』 少し前に終わってしまったけれど、 色々と考えさせられたドラマ、 社会ってどんなところでも、 少なからず同調圧力というものがある。 それぞれの立場があって、 それぞれのキャラクターがあって、 そこから少しでもはみ出ると浮いてしまう。 …

グレイテスト・ショーマン

映画『グレイテスト・ショーマン』 『ラ・ラ・ランド』よりも格段に好み、 演出と曲が素晴らしすぎる。 初めの曲からの妊娠のくだり、 子供への誕生日プレゼント、 ロープアクションの中で愛を確かめるくだり、 二人が出会った海での和解、 ショーマン引き継…

リメンバー・ミー

ディズニー映画『リメンバー・ミー』 久々に泣いた映画、 カルマを表している。 血筋だとか、 家系だとか、 理性や規則では縛れない。 業というもの、 人には誰にも使命がある。 為すべきこと、 それを信じられないと、 生きることは無味無臭になってしまう…

ドラマ『絶対正義』最終回

とてもいい終わり方だった。 終わり方をみれば今クール一番の出来だと思う。 親の子に対する愛情は何にも勝る正義である。 「私、何か間違ったこと言ってる?」 人は過ちを繰り返すものなので、 その度に反省して誠意を尽くせばいい。 素直に過ちを認めれば…

未来に連なるということ

映画『未来のミライ』を見た。 序盤から退屈な展開、 赤ちゃん返りから兄としての成長を描くことが見え見え、 ただ、そこを入り口として、 親の成長やら、先祖の苦労やら、 未来に連なるという王道のようなテーマを一貫して描き切った。 家族としてのあり方…