名探偵コナンの映画を劇場で見たことは初めてだ。
妻がやたらと映画に行きたがるので、DVD派だった私の生活は大きく変わる。
レンタルショップにも全く行かなくなった。
さて、今回の名探偵コナン、
私は名探偵コナンに対して詳しくない。
もちろん主要人物とその関係くらいは知っているが、アニメは「昔見ていたな」くらいにかじった程度で、黒の組織に忍び込むスパイたちのことはわからない。
辛うじて西の高校生探偵である服部に心当たりがあるくらい、
灰原が行動を共にしている詳しい経緯までは知らなかった。
そんな、大した名探偵コナンを知らない私。
それでも、この作品は素晴らしい出来だと感じる。
本作は、名探偵コナン映画で歴代最高の興行収入を叩き出しているらしい。
「黒の組織」と呼ばれるコナン最後の敵となる組織について核心に迫る部分があるからだろうか。
推理要素は少なかったが、単純にアクション作品として、とても見応えがあった。
ネタバレは控えて感想を述べる。
あらすじはザックリこんな感じだ。
たまたま行ったリゾート地で黒の組織の暗躍を知った工藤新一は、その行方を追うために奮闘する。
黒の組織の狙いは、リゾート地に新設された「世界中の防犯カメラを共有するシステム」を管理する施設をハッキングすること。
てんやわんやのうちに、システムを使った黒の組織は、灰原の正体を突き止め誘拐する。
そこから、新一と灰原、そして蘭の三角関係とも言える甘酸っぱい展開と共に、ド派手なアクションが展開される。
一番印象的だったのは、赤井さんと安室さんの掛け合い。
これはガンダムを見たことのある人なら胸熱だ。
キャラクター名だけでなく、声優さんまで同じオマージュとは凄い。
背景は知らないが、名探偵コナンでも二人に因縁があるらしく、無線を通じて会話することにも緊張感があるらしい。
そして、ラスト灰原の「返しておいたから」だ。
淡い恋心と理性の狭間で揺れる知的な美女の一言。
なんとも胸キュン展開である。
このシーンは是非とも実際に見てほしい。
本作は、アクションシーンが凄かった。
ミステリーよりもスパイアクションと言った方が近いくらいだ。
そして、エンドロールで流れるスピッツの『美しい鰭』がなんとも良い味を出している。
ド派手なアクションでハラハラさせつつも、最後のシーンで胸キュンを演出。
新たな謎を残して次に繋がる展開からの『美しい鰭』だ。
優しい曲調に包まれて、見所が走馬灯のように頭の中を駆け巡る。
「良い作品だったな」と、エンドロールを眺めるのに最適な曲。
ストーリーを詳しく知らない私。
作中は、心を上下に揺さぶられて、エンドロールで最後に優しく包み込まれる。
私の今までの認識では、映画は「静」のエンターテイメントだったが、今回の名探偵コナンを見て、その認識が変わった。
遊園地のアトラクションに乗って降りたかのような感覚に、病みつきになってしまうかもしれない。
家で落ち着いて安く映画を見ることの多かった生活から、映画館で心を震わせてみる映画も良いものだと思う価値転換。
これも妻のおかげなのだろう。
誰かと一緒に生活すると、今までは知らなかったものが見えてくるのだなと、そう思った。
