「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

「勃っていたくせに」と言われてみたい

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友達と「その彼女」がうまくいっていないらしく、

友達の彼女から「恋愛相談」を持ち掛けられて、

そうこうしているうちに「いい雰囲気」になって、

友達と彼女との関係は悪化の一途を辿っていく。


相談に乗りながら二人並んで歩いていると、

目の前の信号が「赤」に変わった途端、

急に彼女が私に抱き着いてきて私の胸の中で一言、

「好きになっちゃった」って、


だけれども、

私は「あいつを裏切ることはできない」って、

かっこつけて欲情よりも友情を優先しようとして、


挙句の果てに、

ギュッと私にしがみつく彼女に対して、

「もう一度あいつと話し合ってみたら」だなんて、

ズレたセリフを伝える始末、


彼女は私の背中に回していた手をサッと離すと、

頭だけ私の胸にもたれかかり、

うつむきながら強烈な一言を放つ、


「勃っていたくせに」って、

その一言だけを残して足早に去っていく。


私は呆然としながらも、

その後ろ姿を、

ブラウスの両腕の袖をギュッと握りしめながら、

両手を大きく横に振って力いっぱい走り去る後ろ姿を、

「後悔」と共に見送るのだ。


ふと前を向き、

「青」に変わった信号に目を向けると、

彼女とは「逆の方向」へ向かい、

ゆっくりと歩みを進める。


信号が変わるまでのたった45秒、

その間に大きく揺れ動く心、


下半身は反応しても、

そのスピードに心はついていけなかった。

 

 

 

ただの妄想だ。

そんなシチュエーションが「いいな」と思った。


「こういうものへの憧れ」


私の恋愛観の本質を突いている気がする。

そうやって私は何度もチャンスを逃してきた。


「誠実な自分」に酔っているのだろう。

結局私は「私が納得する形」での恋愛しか認めようとしないのだ。


私は頭で考えることを優先しすぎる。

もっと体に正直でもいいのかもしれない。


だから私は童貞なのだ。