「降り頻る白い雪は心模様」
「雪が綺麗と笑うのは君がいい」
「冬が寒くってほんとに良かった」
数々の名曲を生み出した、
情緒あふれる情景。
窓から外を眺めると、
風に靡いて白く舞い散る雪。
私の手元には、たくさんの肉。
そのコントラストに冬を感じる。
元来、人は冬に向けて食物を溜め込み、
冬は生産を止めて消費しながら生きていた。
時代は変わったのだ。
冬も生産は止まらずに、夜は無くなった。
24時間365日。
人は、ある点で自然を克服して、
自由を手に入れた。
好きな時に好きなことをすることで、
好きなことをできない時間を苦痛に感じるようになる。
「時短」が流行りのようだけれども、
人は、生み出した時間を使って何をするのだろうか。
一日中、街が雪に閉ざされたとしたら、
私はどのようにして時間を消費するのだろう。
あまりにも、生き急いでやしないだろうか。
あまりにも、人は時間に追われながら生活してやいないだろうか。
目の前にある肉を食らいながら、
何も考えずにボーッと過ごす1日があっても良い。
このまま雪に覆われてしまうのも悪くはない。
そう考えていたが、雪は雨に変わっていく。
そううまいこと、
休むことはできないのだ。
今は忙しく動かなければならない時期。
私に取って、そういう時期なのだ。