今年のクリスマスは心穏やかに過ごすことができる。
妻と一緒に過ごすからだ。
何かと年末は忙しく、心がやさぐれている中でイルミネーションを闊歩するカップルたちにささくれ立つ心。
そんな期間が10年以上は続いていた私。
今やクリスマスに対する嫌悪感は消えた。
人の悩みはライフステージによって大きく変わる。
自分の経験を通してそのことを実感する。
そう考えると、今の悩みも時とともに変わっていくのだろう。
どんなに大きな悩みだとその時は思っていても、それが命に及ぶものではない限り、時とともに解決する場合がほとんどだ。
諸行無常である。
全てのことは移ろいゆく。
この世は春の夜の夢の如し。
しかし、歳を取れば取るほどに、悩みは命に及ぶものへと変わっていく。
若い時の悩みなど、後から振り返ると些細なものであると気がつく。
まだ私の世代の抱える悩みも、同じようなものなのかもしれない。
小さなところからどんどん悩みを乗り越える。
もしかしたら私たちは、悩みを乗り越え続けることで、大きな悩みに立ち向かう準備を整えているのかもしれない。
少しずつ成長していく。
まだまだその過程なのだ。
そして、それは最後の時を迎えるまでつづくのかもしれない。
体が不自由になっても、
思考が不自由になっても、
悩みを乗り越え続けながら、
人は生き続ける。
来年のクリスマスを、
私はどのような悩みを抱えて迎えるのか。
全く想像できない。
そうやって、一年また一年と、
私は歳をとっていく。
ゆくゆくは、
サンタクロースのやり方に頭を悩ませるような、
そんなクリスマスになるのかもしれない。
悩みはライフステージとともに変わるのだ。