ジャズ調のメロディに憂げな声で「楽しい」と連呼する特徴的な曲。
まさに言葉の魔術師。
ヨルシカの新境地とも言える挑戦的な曲だ。
楽しくもないのに「楽しい」と口にする時、
人は壊れてしまう寸前なのかもしれない。
心と言葉が一致していないことほど不気味なものはない。
周りに合わせて「楽しい」とはしゃいでいる女子高生。
上司からの嫌味に対する唯一の対処法としての愛想笑い。
カメラで写されているから、気が進まないけれども楽しげに振る舞う街角インタビューを受ける人。
人は仮面を被りながら生きている。
そんなことは百も承知だ。
それでも、できるだけ心に正直でいたい。
失敗も、怠惰なところも、
環境に気持ちがついていかないところも、
素直な私の気持ちなのだ。
「楽しい」「楽しい」
そう自分に言い聞かせていても疲れるばかりだ。
私には休養が必要なのかもしれない。
ヨルシカ『ルバート』